本會も今年ははや第7回を迎え,名稱も舊稱,關東眼科集談會を捨てて,臨床眼科學會として,全國的基礎に立つて開會される事となつた。これで春の日眼總會に對して秋の眼科總會という事となつた。出席者は例により毎年増加して本年は六百數十名にて700名に近い數を示した(國友教授,特別講演中,計算)2000名の座席を有する大講堂も1杯になる樣な盛況であつた。遠路御多忙中御出席下さつた方々には厚く御禮申上げます。
雑誌目次
臨床眼科8巻2号
1954年02月発行
雑誌目次
特集 第7回臨床眼科学會
特別講演
結膜の炎性病巣に就て—第7回臨床眼科學會特別講演
著者: 國友昇
ページ範囲:P.97 - P.110
結膜は上皮細胞層と其の下にある薄い結合織から成る簡單な粘膜であり,結合織の中には神經,血管及びリンパ管を有するに過きない。然し此處に一旦炎症が起ると種々樣々な炎性病巣が形成され其の組織標本を作つてみると仲々複雑な様相を呈していて正常な結膜組織標本とは甚しい差異がある。所が此の兩者の差と云うものは元來炎症を起す可き刺戟が正常結膜に加わつた結果生じたものであり,且,正常結膜には見られなかつたに附加された變化の悉くは,該部の血管からの滲出と刺戟を受けて滲出を受入れた組織の反應による變化の和に過ぎない譯である。即,(炎性刺戟)+(正常結膜)=結膜炎性病巣=(結膜血管上りの滲出)+(結膜組織の反應による變化)と云う事になる。
一方體の他の部分に起る炎症の際を考えてみるに,各組織に於て其の構造及び機能を異にする譯であるから夫々血管分布の状態及び組織の反應にも差が認められ得る澤であるが,少くとも病因が同じである場合には同程度の炎性刺戟に對する極小血管の反應は同樣のものであろうと推論出來る譯である。從て或場合には我々が結膜で認めた變化と同樣の變化が體の他の部分に當然見られて良いと思考する次第である。我々眼科醫は人間の結膜の病巣を直接眼で見る事が出來,細隙燈で擴大して時々刻々の變化を捉える事が出來るばかりか時には其の病巣の組織標本を取つて検討する事も可能である。
普通講演
(1)偏光アノマロスコープに依る色神檢査
著者: 中村陽
ページ範囲:P.111 - P.113
色神異常の精密診斷として從來用いられて來たナーゲル氏のアノマロスコープは,コルリマトール細隙の幅を變えて均等試驗を行なう爲にその波長の純度が低下する缺點があつたものである。ここでこの缺點を除く爲に偏光プリズムと偏光板及びスモークウエツジを應用して,細隙を動かすことなしに混色及び單色光の量を變える方式が,東京大學工學部日置隆一助教授及び日本醫科大學中村康教授の共同研究として考案され,その試作品は既に日置助教授1),中村教授2),同初田講師3)4)及び私の發表紹介した處である。
其後更に改良の爲臨牀實驗を繼續し,今回色神異常を分類し得る成績を見るに至つたので此處に報告する次第である。
(2)大熊氏色盲色弱度檢査表の檢討
著者: 關亮 , 小尾榮 , 淸水金郞
ページ範囲:P.113 - P.115
大熊教授は先に先天性色覺異常の種類,及び程度を判定する色盲色弱度検査表なるものを考按して,半田屋より出版された。
所謂色盲表に依る色覺異常者の検出には既に石原氏の色盲表と云う滿足すべきものがあり,異常の種類を區別する表も石原氏の表の末尾に附随していたのであるが,程度の判定を下す色盲表は未だ出現していなかつた。
(3)正常虹彩の分類寫眞
著者: 野寄達司
ページ範囲:P.115 - P.123
虹彩の病變を精細に觀察するには,正常な虹彩の状態を正確に知つていなくてはならない。又虹彩特にその紋理は個人や,人種により,特異であり,更に濃厚な遺傅性を有することは興味深い。
正常虹彩紋理の分類は白色人種についてはHe-Schの分類があるが有色人種には適用出來ない。有色人種の虹彩紋理の系統的な分類を行うには,現在のところ國友教授の分類に依るのが最も妥當である。
(4)可動性義眼に就ての考察
著者: 藤崎茂 , 土岐達雄
ページ範囲:P.124 - P.126
可動性義眼に就ては往時より種々研究されていたが,第二次大戦後其の必要性より,歐米にてはFuedmann, Cutler, Allen, trautmann Hu-ghes等により,又本邦にても桑原,山本吉澤等の研究があり,近時アクリル酸,共他による合成樹脂製造の進歩に伴い長足の進歩をしている。
私達も東大式(鹿野,吉澤氏法)を少しく變えた大塚教授の術式により,眼球内容除去後にマグネット義眼臺を用い,比較的良好なる結果を得たのて報告する。
(5)網膜血管と腦内血管との病理學的比較(第2報)—血管の過沃度酸schiff氏法に依る染色に就て
著者: 羽生孝明
ページ範囲:P.126 - P.129
1944年Ballantyneは網膜の無染色貼布標本を作り,網膜毛細血管瘤を發見したが,1949年Frie-denwaldはHotchikissによつて始められた過沃度酸を用いる染色法,即ち過沃度酸Schilf氏法にて網膜の染色を行い,Ballantyneの所謂網膜毛細血管瘤を確認した。以後Friedenwald,As-htone, Wexler, Branower, Hartford等によつて研究が續けられて來た。私は網膜血管及腦内血管を過沃度酸Schiff氏法にて染色し,又腦内血管は更に無染色にて位相差顯微鏡による觀察を行つたので報告する。
(6)網膜中心靜脈血壓に關する研究(第4報)
著者: 坂上俊彦
ページ範囲:P.129 - P.135
網膜中心靜脈の搏動がVon Tright及びCocciusによつて初めて記載されて以來,網膜中心靜脈血壓の研究は,内外に於て幾多行われて來ている。然るに網膜靜脈搏動は,人眼に於ても生理的に認められるものもあり,又近距離に對する強い調節,深い吸氣或はアミールニトリツトの吸收等によつて容易に搏動現象が認められる如く,網膜中心靜脈壓(以下N.V.D.と略す)は非常に低い閾値であり,又眼蜷と別離しては考えられぬ値であつて,その測定は困難であり,業績及び文献の少い所以でもある。
私は曩に先報に於て,水柱壓150粍迄加壓可能の特殊なDynamometerを考案し,本機及び慶大式電氣眼壓計を使用して,網膜中心靜脈の基礎眼壓直線作成及び,健康正常眼に於けるN.V.D.の測定を行い,初壓22.2m.m.Hg.慶大式電氣眼壓計測定値にて67.8ミリアムペアー(以下m.A.と略す)に對してN.V.Dのは23.8m.m.Hg.(73.8m.A.)平均すると,N.V.D.は眼壓より0.5〜1,5m.m.Hg高い事が測定された。今回この基礎眼壓直線を使用して,N.V.D.の體位によつて起る變動,即ち被驗者を坐位より水平仰臥位に轉じた直後及び10分後のN.V.D.の變化,及び臥位より坐位に移つた直後及び10分後のN.V.D.の變化の測定を行い,夫々比較検討及統計學的觀察を行つたのでこゝに報告する。
(7)接着義眼(Gontact ocular prosthesis)の臨床的應用に就いて
著者: 北野周作
ページ範囲:P.135 - P.139
Contact lensは既に着々と實用の域に達し,その光學的矯正及び治療上の應用に關しては内外共に多數の報告がなされているが,このContactlensの眼球に對する密接性という特性を利用して,Contact lensに着色或は彩色を施し種々の臨床例に應用するという事は案外試みられていないようである。抄讀した範圍内では次の諸氏の報告が擧げられる。
無虹彩症にStrieff (1932),Reid (1938),Stre-bel (1943,Gross (1947),白兒眼にAscher (1930),Friede (1931),Gross (1947),虹彩缺損にFuchs (1950),佐藤(1952),角膜片雲に佐藤(1952),麻痺性斜視の複視に佐藤(1952),角膜を陰蔽し手術器械を見えないようにし眼科手術の恐怖除去にFuchs (1950),眼球摘出が拒否された場合に彩色Contact lensを眼球癆に對して義眼として使用し得るであろうとGross (1947),Strebel(1948),又最近には印象材を使用した角膜義眼の報告,小山(1953)がある。尚Contact Iens装用時の羞明防止についてはRidley (1947)等がIens自體に着色する事を提案している。
(8)コンタクトレンズのデザインについて
著者: 曲谷久雄
ページ範囲:P.139 - P.143
コンタクトレンズのデザインは角膜レンズと角鞏膜レンズ,或はグラスレンズとラクリレンズとでそれぞれ異なる。すなわちレンズの型によつても又構造によつても異なるが何れにしてもデザインには光學的理論に基づいた復雑な計算を要し處方が繁雑であつた。最近コンタクトレンズがプラスチツクで作られるようになつてから其の發展はとみに盛んとなつたがなお處方に際してのデザインのわずらわしさが殘つていた爲,凡ての眼科醫が處方するには程遠い状態であつた。著者はかねてからコンタクトレンズの研究を行うに當つて計算を簡易にする必要を感じていた。幸いにも矢崎敦生氏の協力を得てコンタクトレンズの光學的理論を究明し新らたな考察の下にレンズの公式を算出し,これを基礎として處方に極めて便利な計算圖表の作製に成功した。
一般にコンタクトレンズのデザインにはレンズの後面の曲率半徑R2(mm)が條件づけられている場合とR2が自由に與えられる場合とがある。この2つの方法を別の言葉で云えばトライアルセツトのコンタクトレンズを使つて測定處方する場合が後面の曲率半徑R2を測定するのであつて,トライアルセツトを使わずに患者の屈折状態と角膜前面曲率半經γc (mm)とからコンタクトレンズを處方する場含がR2を規定しないケースということになる。從つて前者の方法ではグラスレンズ,後者の方法ではラクリレンズが出來るわけである。
(9)ラクリレンズ(コンタクトレンズ)を1年間装用してみた私の經驗
著者: 高野安雄
ページ範囲:P.145 - P.150
コンタクトレンズは圓錐角膜,不正亂視,眼瞼外反その他の眼疾患に視力増進或は角膜保護の目的で,また眼内異物のX線診斷や前房隅角その他の諸検査時の補助器として,更に屈折異常の矯正に眼鏡に代つて使用されるほか,運動選手・飛行家・船員・藝能人等が職業上或は美容上の必要から同じく眼鏡の代用として用いるなど其の適用範圍は極めて廣い。その上一般に屈折異常の矯正法としては種々の光學上の長所をもつコンタクトレンズを以てするのが,理論的に理想に近い方法であることは最早周知になつている。
しかしながらDuke-Elderが言つている如く,現在の段階において解決すべく殘された問題のうち最も重要なことは,そのBapticsの點にあると思う。即ち患者の角膜及び主として鞏膜とよく接着適合して,何等の苦痛や副作用なしに連續して長時間の装着に耐え得ること,換言すればTol-eranceの出來るだけ高いコンタクトレンズを設計製作する技術上の諸問題であろう。
(10)最近のコンタクトレンズ臨床應用の2,3
著者: 水谷豊
ページ範囲:P.150 - P.153
まえがき
コンタクトレンズの臨床應用は,吾國では極めて最近の事であり,未だ實際に使用經驗の無い方が大多數と思われるが,著者は數年前からコンタクトレンズの臨床應用に僅か乍らも微力を盡し,臨床上尚研究すべき缺點もあるが,漸次改善工夫を加えて,次第に臨床的應用の顯著な價値のある事を認めて來た。
コンタクトレンズは圓錐角膜,不正亂視,不同視眼,強度近視其他の屈折異常眼等に應用して,今迄手の届かなかつた程度迄の視力の改善が可能である事は,己に著者も報告したし,諸外國の報告文献からも周知の事であるが,之等の臨床應用の外に,著者は最近特殊な臨床例に,特殊なレンズの應用を實驗し良果を得たので,こゝに御紹介し御教示を受けたいと思う。
(11)腎炎性網膜炎の像を呈した結節性動脈周圍炎
著者: 郭漢謀 , 逸見和雄
ページ範囲:P.153 - P.161
結節性動脈周圍炎は既にRokitansky (1852年)によつて觀察されていたが,周知の如くKussm-aul及びMaier (1866年)が初めて獨自の疾患として記載命名した。その後數多の報告が追加せられ,殊に近年に器いては所謂膠原病の1つとして注目すべき疾患となりつゝある。
吾が國眼科領域においては,淺山氏が原田氏病の1例を觀察して初めて結節性動脈周圍炎なる名稱を用いたが,その後井街,弓削,宇山教授等を初め數氏の報告を見るに過ぎない。私共は腎炎性網膜炎の像を呈した結節性動脈周圍炎と考えられる2例を觀察し,その1例において皮下結節を摘出剖検の結果,前記の診斷を確定し得たので,その大要を報告する。
(12)レーベル氏病の蜘網膜所見
著者: 八十一三 , 松本主一
ページ範囲:P.161 - P.164
レーベル氏病に對しCushing (1912)が始めて開頭を行い,腦の浮腫と蜘網膜下腔に液の潴溜をみた。その後Kuhn, Puech, Bonnet'et Guill-aumat (1940)等は前頭部と視交叉部の蜘網膜炎をみとめている。我が國では井街謙等がレーベル氏病10例に對し開頭を行い,各例共著明且特異な變化は視交叉附近にのみにあつて,蜘網膜は著明に灰白色に溷濁し,膜下に正常腦脊髓液を充滿し強く緊張膨隆し,嚢腫様外觀を呈し,該膜は甚しく肥厚し,強靱であつた。この膜は組織學的には退行變性の像を示し,炎症像は全くみられなかつた。このような蜘網膜の變化はレーベル氏病に於て特異なものであると主張している。以上の如くレーベル氏病に視交叉蜘網膜の變化が存することは一般にみとめられているが,このような蜘網膜の變化が本症に於ける視神經萎縮成立に對する關係,即ちこの膜の變化自體が視神經萎縮の直接原因であるかどうか,或は視神經萎縮と無關係に平行的に成立した變化であるかどうかの點に關しては未だ明らかにされていない。
私等はレーベル氏病8家系13例に開頭を行う機會に惠まれ蜘網膜の検索を行い得て聊か新知見を得たので報告す。
(13)慢性軸性視神經炎の臨界融合頻度(第1報)
著者: 陶山脩夫
ページ範囲:P.164 - P.170
伊東教授に依つて唱導せられた輕症慢性軸性視神經炎に關しては當教室に於ける多年に亙る臨床的並に實驗的研究の結果視能の面に少なからぬ缺陥の有る事を實證して來た。
Flicker現象の光覧の場に於ける生理的機序より考えるならば,通常使用している河本氏中心暗點計及び黑板視野計に依つて計測された結果よりも,融合頻度の計測は網膜部位の機能状態をより明かに現わすものであると云うことは當然考えられる。私は融合頻度の計測は臨床的に網膜並に,其の傳導系の障碍の程度を定量的に示す價値ある方法と考えたので,健常眼と視力良好な本症患者との融合頻度を夫々中心部及び傍中心部に於て計測し,兩者の間に差異を認めるや否やに就き比較検討した處,未だ症例も少く結論を得る迄には至つて居ないが本症に於て有力な診斷的價値を有する検査法の一つとなり得ると思われたので,其の大要を報告する。
(14)脊髓癆性視束萎縮に對するマラリア・ペニシリン療法の遠隔成績
著者: 鴻忠義
ページ範囲:P.170 - P.175
昭和26年11月から脊髓癆性視束萎縮患者にマラリア發熱・ペニシリン併用療法1)(表1参照)を行つていたが昭和28年10月迄に18人(男15人,女3人)3眼につき1乃至2年間の遠隔成績(表2参照)を觀察し,其の治療効果を検討することが出來たので茲に報告す。
抑々脊髄癆性視束萎縮は變性梅毒による視束線維の進行性の破壊であり脊髄癆性の脱落症状の1つとも考えられるので如何に適切な療法と難ども其の機能を恢復させることは困難と思われるが,萎縮の進行を阻止し得たとしたら,其の治療法は有効であつたと言えよう。而し乍ら本症は長期に亙る經過を辿るので,其の治療が果して効を奏したか否かは遠隔成績を觀察して初て判定し得るわけであろが,木實驗の効果判定の規準を次ぎの如く定めた。
(15) Behcet氏症候群の組織學的所見
著者: 三村昭平
ページ範囲:P.175 - P.179
眼,皮膚,粘膜等に一連と思われる症状の出現する疾患には,Stevens-Johrsont氏病(1922),開口部糜爛性外皮症Ectodermose erosive plu-riorificielle)]916), Dermato-stomatitis (1925,Neumann's Aphthoss (1895),Lipschutz氏急性陰門潰瘍(1922),Behget氏病(1937), Reiter氏病(1916)等がある。この中Behcet氏病は,トルコの皮膚科醫Behgetが,それまでに結核,梅毒,關節リウマチ,葡萄状球菌によるアレルギーの様な疾患の合併症と考えられていた前房蓄膿性虹彩炎,口腔粘膜のアフタ様潰瘍,陰部潰瘍を一つの症候群とみなし,おそらく或種のビールスたよりひきおこされる獨立の疾患ならん,と定義したのによるものである。
最初文献には,Behcet's triple synlptomecomplexと言われてきたが,次いでBehcet'sdisease又はBehcet's syndrome等の名で呼ばれるようになつた。
(16) Compound F (Adrenal cortex extract)に依る滲出性網膜炎の治療
著者: 小出佳英
ページ範囲:P.180 - P.184
滲出性網膜炎に就ては數多くの報告があり,從つて症候,病理,病因等は既に論じ盡された感がある。然し乍ら,治療に關しては現在に至るまで,確實な方法はなく,殆んど對症療法に終始していると言えよう。
最近ACTH,Cortisoneが各種疾患に適用され,本症の治療にも試みられているが,報告は極めて少い。私は滲出機轉と,血管變化が略々時を同じくして發症した。滲出性網膜炎の1例に,約1カ年間に亙つて,副腎皮質ホルモンのCompo-und F劑を,結膜下注射として用いる機會を得た。この方法は決して成功したものではないが,興味ある治療經過をとり,滲出性網膜炎の治療に,2,3の示唆を與えるものと考えるので,茲に報告する。
(1)鞏膜炎及び上鞏膜炎の前房隅角鏡所見
著者: 河野辰雄
ページ範囲:P.187 - P.192
鞏膜炎と上鞏膜炎とを明らかに臨床上區別することは困難であるのみならず,同一の原因によつて同時に罹患することが多いが,一般には球結膜下の比較的淺い炎症で,充血や降起の強いものを上鞏膜炎といい,一方比較的深層に病竈があつて,硬化性角膜炎,虹彩毛様體炎,脈絡膜炎を合併するものを鞏膜炎といい區別されている。他方前房隅角部は角膜,鞏角膜移行部,毛様體部,虹彩竝びに水晶體によつて圍まれ,この隅角部はその中に存する櫛状靱帶によつて更に多くの小腔に分たれ此の小腔をフオンタナ氏腔と呼び,此の直前方にシユレム氏管があつて,此の兩者を界するものは櫛状靱帶とその中に介在する鞏膜胛とである。櫛状靱帶を構成する繊維の中,角膜後層から發して鞏膜胛に附着する部分を鞏角膜繊維桂(Tra-beculum sclerocorneae)と稱し,同じく角膜後層から發して毛様體の前面を被い,虹彩根部に達する部分を鞏膜毛様體繊維桂(Trabeculumsclerociliaris)と稱し,これには虹彩突起と葡萄膜織維柱とがある。此等の櫛状靱帶織維柱及びシユレム氏管は内皮細胞で被われているが,虹彩の前面では完全に内皮細胞でを被つていない。以上の如く,斯る構造を有する隅角部は鞏膜と密接なる關係を持つて居り,從つて鞏膜の炎症時に於ては,炎症の影響が容易に隅角部に波及することは首肯し得られる所である。私は其の關係を迫求する爲に本研究を行つた。
(18)隅角切開術用レンズ及びそれによる簡易隅角視診法に就て
著者: 荻野紀重
ページ範囲:P.192 - P.194
隅角切開術(Goniotomy)は1936年Barkan4)により考案された手術法であつて,牛眼及び若年性緑内障に顯著な効果を收めたと言われている。この手術法に就ては既に中村氏1)が述べられており,私3)も臨眼誌上に大要を紹介した。
併し乍らこの方法は隅角を觀察し乍ら角膜輪部より刀を進める必要があるので,角膜上に載る特殊な接着レンズを必要とし鞏膜部迄覆うような型は使用する事ができない。Barkan5)はこのようなレンズを製作發表しているが,私も同樣なレンズを試作したので報告する次第である。手術例に就ては未だ充分の經驗がないが,今後症例を重ねた上で報告し度いと思う。
(19)現在用いられている平かな試視力表に就て(第1報)—眼數分布と各列の見え方に就て
著者: 向山昌信 , 北左司公子 , 山本坦
ページ範囲:P.195 - P.197
學校教育制度の變革に伴い,低學年よりの平かな教育の實施によつて,從來の片かな試視力表にかわり,平かな試視力表の必要性が増大した。平かな試視力表としては,中村(康)氏以來種々なるものが作られているが,現在主として用いられているものは,中村式,東大式,山森式の3種類であろうと思われる。
臨床的並びに身體検査時に於ける視力検査の重要性に鑑み,現在主として用いられていると思われる之等3種の試視力表に就き,實驗検討し,興味ある結果を得たと思われるので,資料を纏めて報告する次第である。
(20)私の試作した2.5m用試視力表に就て
著者: 山地良一
ページ範囲:P.198 - P.200
現在,視力検査を行う際に用いられている試視力表は何れも検査距離が5mになつている。然し學校に於る身體検査室,大病院の豫診室等を除いては,一般には眼科の診療室は5mの余裕のないものが多い。1mを3尺3寸として,5mでは2間4尺5寸となり,日本間の0疊の長い方を利用しても猶,不足な譯である。この爲,廊下,待合室を利用したり,鏡面による反射等によつて之を補つている樣である。一般の視力測定には,之等の方法でもさ程不便を感じないが,検眼を時間をかけて落着いてやりたい時には,やはり間に合せの處置では具合が悪い樣である。
この樣な事から,2.5m用試視力表を試作し,再三實驗校正を重ねた結果,充分所期の目的に適するものを作る事が出來たので,茲に發表する。
(21)牛眼に對する透鞏膜後毛樣體ヂアテルミーの効果
著者: 中川順一 , 鈴木昭治
ページ範囲:P.200 - P.205
牛眼には,古來良法がない。古くより,虹彩切除,管錐術が行われたが,近時虹彩嵌頓術が推奨されている(Weekers)。又,偶角切開及びGo—niotomy (Barkan),偶角穿刺Goniopurcture(Scheie 1950)は若年性緑内障の初期に對して優秀であると言われている。
牛眼は,前房偶角の先天性發育異常に因つて起ると信ぜられているが,その變化は,あるものは眼壓亢進の結果と論じ,Weekersの如きは器質的變化よりはむしろ神經血管系異常を重視している。一般に緑有障の本態は,從來考えられていたよりはるかに複雑であり,單なる器械的,物理學的見地のみでは理解に困難であり,機能的平衡異常としては把握せんとする傾向にある。
(22)メチレン青による臨床的角膜新陳代謝測定法に關する研究(第1報)—檢査方法に關する基礎的研究
著者: 筒井純
ページ範囲:P.205 - P.210
角膜疾患の臨床検査法の一つとして,その生化學的機能を診斷する方法は今日迄知られていない。從つて角膜疾患に際して,その代謝機能がどうなつているかと云う事は非常に大切な事でありながら殆んど分つていない。今日迄僅かにW2r-burg検壓計による呼吸解糖の測定により,その一端をうかがつているに過ぎないが,此の方法では角膜を切除しなければ測定に供せられない爲に動物實驗の域を脱していない。臨床的に用いる爲にはどうしても眼球を損傷しない樣にして検査する方法でなければならない。我々は種々の角膜變性疾患や溷濁した角膜についてその代謝機能を測定し,病因の一端をうかがい,出來ればその豫後をも判定したいものである。又角膜移植等に際しても,角膜の生活機能の低下があるかどうかを調べてから適應を決めれば,より一層好結果が得られるのではなかろうかと思われる。こうした臨床検査を目的とした一つの方法を作り出す目的をもつて,私はメチレン青の角膜内注射により角膜の代謝機能を測定する事を思いついた。メチレン青注射による代謝の測定は角膜では行われていないが,皮内反應としては生體の脱水素機能の測定に用いられている。即ち脱水素酵素によつて離脱された水素とメチレン青が結合する事によつて,メチレン青はロイコメチレン青となり脱色される。從つてメチレン青の脱色速度を測定すれば脱水素酵素の機能状態が分るわけである。
(23)角膜病變に對するイオントフオレーゼの應用(予報)
著者: 高安晃 , 榊眞彌 , 井後吉久 , 川野博隆
ページ範囲:P.210 - P.214
Herpes zosterの發病機序が三叉神經の第1枝及第2枝の障害に依るものであるので著者の1人高安はHerpes zosterの患者に試驗的に第2枝が通過する下眼窩孔を中心にこの部分に向つてブローム加里のイオントフオレーゼを試みた處,皮膚及角膜のヘルペスが極めて短時日に治癒した事實を認め得たので吾々は種々なる角膜病變にこの方法を應用し興味ある所見を觀察して居る。茲に最近までの經過の一部を報告し臨床的並に實驗的研究を行つて更らに検討を重ねたいと考えて居る次第である。
(24)多發小結節性上鞏膜炎とロイマチス性結節性上鞏膜炎との關係について
著者: 靑木平八 , 郭漢謀 , 八木橋彰
ページ範囲:P.214 - P.214
追加討論
私共も菅沼氏多發小結節性眼球結膜炎の數例を主として細隙燈的並に組織學的に檢討しているが,その1例に就て述べると患者は49歳♀兩眼結核性虹彩炎で治療中兩眼の上方の球結膜の角膜に接した部に充血を伴う類圓形の小結節が多數見られた。かかる部の組織像は上鞏膜の比較的深層の極小血管よりの著明な圓形細胞浸潤と線維母細胞と膠原線維の増殖が認められ之等が病變の主病単と見做されるが之に加えて上皮下層に散在的に炎性浮腫と比較的多數の好酸球と中等度の好中球並にリンパ球樣細胞の浸潤が見られる。その意味づけに就ては追つて發表の豫定である。
(24)アレルギー性眼疾患の免疫學的研究(第1報)
著者: 入野田公穗 , 阿蘇不二彦
ページ範囲:P.215 - P.218
視器にアレルギー性反應を顯わす疾患は數多い。A.C.Woons1)によれば枯草熱,喘息に觀られる結膜炎(急性浮腫性反應型),アトロピン,ブチン,アルカロイド等に因る眼瞼結膜炎(濕疹性浮腫性型,葡萄状菌毒,上皮,吸入物,動物性塵埃に因る邊縁性眼瞼炎(慢性再發性刺戟性型),春季加答兒等の結膜疾患,フリクテン,邊縁性潰瘍等の角膜疾患,交感性眼炎,水晶體過敏症性内眼球炎,非肉芽性葡萄膜炎,肉芽腫性葡萄膜炎等の葡萄膜疾患が孰れもアレルギー性疾患であると謂われ,この外白髪洗藥劑に因る結膜炎なども之の代表的なものの一つである。是等の疾患に特有なる或は特有ならざるアレルゲンの分明せるものもあるが,未だ判明せざるものも尠くない。既に抗元の確實に鮮明せられたる疾患は其の診斷は比較的容易なるも,然らざるものは診斷は勿論治療の指針を見出すことも容易ではない。それ故過敏症性現象を基礎として生ぜる疾患なるや否やを先ず改めて検討して見る必要がある。私共は臨床的觀察並に病理組織學的検索のみによりて夫の確證を把み得ない眼疾患に就て被動移入による種々の抗元抗體反應を試み抗體存在の有無を検査せのる故,その成績に就て報告しようと思う。
(26)網膜血管徑,網膜中心動脈血壓を計測經過を觀察せる蛋白尿性網膜炎の1例
著者: 三國政吉 , 米山高德
ページ範囲:P.219 - P.223
所謂惡性腎硬化症に起つた蛋白尿性網膜炎で,全身症状の好轉に伴い眼底所見も輕快した症例に於ける網膜血管徑の推移に就ては昨年度本會席上にて教室島が報告した所であるが,余等は今回慢性腎炎に發現した蛋白尿性網膜炎症例に於て全身症状,眼底所見の増惡して死の轉帰をとつたものにつき,この經過中網膜血管徑計測すると同時に網膜中心動脈血壓も測定して經過を觀察し得たので茲にその成績を記載するものである。
(27)鈍傷後の眼壓低下と網膜血管徑の計測成績
著者: 池田正敏
ページ範囲:P.224 - P.228
眼球打撲に際しては急性の眼壓下降の起ることがある。先ず眼壓上昇して次で眼壓下降すると云われているが,この眼壓低下は種々の條件下に發現する。このうちその原因に就ては十分滿足すべき説明が見出されずして眼壓低下が可成り頑固に存續する場合があり,その原因に就ては種々の意見が混亂して興味少なからざるものがある。
私は偶々スポンヂボール外傷後にこの種の外傷性眼壓下降症を來したものを相ついで2例經驗して網膜血管徑を計測し,眼壓との關係を追求する機會を得たので,こゝにその成績を記載する。
(28)低眼壓と視機能—附・低眼壓の定義,範圍及び分類
著者: 須田經宇
ページ範囲:P.228 - P.232
血壓が異常に上昇すれば,即ち高血壓の場合には勿論身體に種々なる障碍を來たし,又,血壓が正常値よりも低いもの,即ち低血壓の場合にも多くは精神々經症状,循環系症状,消化器症状,呼吸器症状,泌尿器症状,性器症状をみ,眼症状としては霧視,黑視,閃光視等が現われ,體温は一般に低いと言われている(文献3參照)。他方眼壓に於いては異常なる上昇は緑内障となり(眼壓が正常値より上昇しただけでは緑内障とは言わないが)視機能の障碍されることは周知の事實であるが,眼壓が正常値よりも低い場合,即ち低眼壓の視機能については餘り論議されておらない。それは我々が日常遭遇する低眼壓は網膜剥離,葡萄膜萎縮等の合併症があるもの,即ち續發性低眼壓であり,「眼壓が低いこと」だけが視機能に影響するかどうかの研究の材料に適する原發性低眼壓(後述の分類參照)は稀であるために研究がしにくいからであろうと思う。正常人眼の眼被膜に痩孔を作り低眼壓に陥させそして視機能を検査すればこの研究には良い方法であろうが,そんなことは出來ない。そこでこの問題の材料としては不完全ながら時に遭遇する次のものを取り上げてみたいと思う,即ち減壓手術を施行された緑内障が時に比較的長期間正常眼壓以下に留まるもの,所謂,持續的低眼壓眼である。然も白内障,網脈絡膜剥離等の合併症を有しない本症である。そして本症の發生前後の視機能を比較すれば低眼壓の視機能に對する影響の有無の大凡その見當はつくと思う。
(29)汎適應症候群から見た緑内障
著者: 池田一三
ページ範囲:P.232 - P.235
古來急性炎性緑内障の發作がしばしば寒冷,過勞,睡眠不足,感情の興奮,精神緊張,眼科手術等によつて誘發されることは,よく知られている。一方Selyeによれば,これらの因子はいわゆるストレスとして生體にはたらいて,汎適應症候群General Adaptation Syndrome (G-A-S)とよばれる變化をおこすという。そこで急性炎性緑内障をSelyeの汎適症候群の立場から考察を加えてみた。
(30)眼球開壁術に關する研究(臨床的研究)—眼内非磁性異物の摘出に就て
著者: 赤木五郎 , 松香雅夫 , 栗本淸次
ページ範囲:P.236 - P.238
眼内異物の内,磁性物質の摘出に就ては,今日X線と磁石との應用に依つて左程の困難を感じない程度まで進んで居る,然し非磁性異物の摘出に就ては後述の樣な色々の方法が工夫されては居るが,摘出に成功する場合は寧ろ僥倖であつて毎常成功するとは云い得ない現状である。我々は若しも眼球壁を大きな,障碍を殘すことなく然かも眼内を充分に觀察するに足る程度の大さまで哆開し得る方法が見出し得たならば,眼内異物の摘出は極めて容易に行われ得る事は勿論,眼内の腫瘍,炎衝,結締織などに對しても直接施術の路が開かれ今日迄到達し得なかつた領域に或る程度のメスを加え得る可能性を見出し得るであろうと考えて居る。我々は此の方法を,眼球開壁術と呼んで居る。眼球開壁術を阻む大きな障碍因子として我々は大體三つの者を擧げる事が出來る。
第一の因子は硝子體脱出の問題である。眼球は平均20粍水銀柱内外の内壓を持つからして大きく開壁すれば當然大量の硝子體が漏出する。即開壁時の硝子體漏出に基くHypotonia bulbi更に進んでは眼球萎縮の問題である。之に對しては現今では硝子體移植術或は置換術が發達して居るので,我々は此を應用する事に依つて或る程度防止し得るものであると考えて居る。即我々は開壁前豫め硝子體を吸引して,眼球を平壓の下に開壁し施術後,壁を縫合して後再び豫め吸引して置いた硝子體液を眼内に注人する方法に依つて或る程度第1因子を征服する事に成功して居る。
(31)乳頭黄斑間及び其他に數個の網膜裂孔を有する網膜剥離手術治驗2例
著者: 淸水新一
ページ範囲:P.239 - P.242
網膜剥離の手術中色々な點で厄介なのは裂孔が乳頭近くにある場合である。斯樣な2例を始めて經驗し手術に成功したので報告する。
(32)眼窩骨縁缺損に對する合成樹脂補填の經驗
著者: 大熊篤二
ページ範囲:P.242 - P.244
眼窩骨縁に外傷に因る骨折其の他の原因によつて骨缺損を來し,その爲に皮膚が著しく陥凹して醜形を呈するものに對しては,この部に骨移植を行い或はパラフィン注入を行う等によつても之を整形することができるが,私は骨缺損部に適當な形の合成樹脂片を補填埋没することによつて良好な結果を得た2例を經驗したので報告する。
(33)トルコ鞍内よりとり出した嚢腫と眼症状
著者: 梶川一策 , 井街讓
ページ範囲:P.244 - P.247
既に中田教授の指摘された樣に,蜘網膜炎症例は,腦腫瘍症例に對し,我國では歐米腦外科醫の報告に比べて甚だしく高率である。即ち,Fra-zer (1930)が,1209例の開頭中30例,即ち1/40Cushing (1931)は約4000例の開頭例中89例1/43であるに對し,中田教授は100餘例の開頭中,視交叉蜘網膜炎20例,その他のものを含めて25例を報じた。
而して之等は,臨床上診斷は常に必ずしも容易でなくCushingに於ては,頭蓋咽頭腫と診斷した67例中,手術により誤診を證明したもの22例でその中2例が蜘網膜炎であり,トルコ鞍側方硬腦膜腫と診斷した40例中,誤診17例で此例中2例は蜘網膜炎であつたと云う。
(34)黑内障に引續き失聲症を起したヒステリー症例
著者: 米村大藏 , 村上惠風
ページ範囲:P.247 - P.251
ヒステリー性黑内障は比較的稀なものであるが他のヒステリー眼症と同じく種々の暗示療法によつて治癒した例が多數報告されている。
我々はこれに對し電氣衝撃療法を行い,一旦は視力の恢復が得られたが,再發を免れ得なかつた1例に遭遇したので報告する。
(35)ハイドロコーチゾン療法
著者: 倉知與志
ページ範囲:P.251 - P.253
この數年間に,眼科治療法には,コーチゾンによる一大躍進が齎されたが,更に最近の約1年間は,ハイドロコーチゾンに注目する人が多くなつた樣である。その理由は,コーチゾンよりもハイドロコーチゾンの方が,臨牀的効果に於て勝れる場合があると報ぜられたからである。
ハイドロコーチゾン,即ち,compound F(以下Fと略記)の化學構造式は,既に1938年に,Mason,Hoehn,Kenda 1氏等によつて,com-Pound C, D, E, G等と共に發表ずみのものであるが,臨牀的應用がコーチソン,即ち,compoun-dE (以下Eと略記)よりもおくれたのである。
(36)"Varidase"の眼科的應用(豫報)
著者: 村山健一
ページ範囲:P.253 - P.255
Titllet,Garner (1933)はβ溶血性連鎖状球菌(以下溶連菌)の産生する或種の物質に凝固人繊維素を分解する物質を見出し,之に對しStrept-cccccal fibrinolysinと名付けたが,その後この成分は人血清中のEugloblinの有する繊維素分解酵素を賦活する觸媒である事が判明し,Christ-ensen and mc Lead (1945)は之にStreptokin-ase (S.K.)と命名した。
更にSherry,Tillet,Coristensen (1948)は膿の粘稠度を嵩め,且膿汁特有の繊維素の多い凝塊や沈渣の主な成分はFibrinとdesoxyribose-nucleoprotein (D.N.P.)である事を證明し,このD.N.P.を加水分解してプリン基とビリミヂン又クレオサイドに分解する作用を,β溶連菌産生酵素中にある事を見出し,このdesooxyribon-uclerseに對しStreptodornase (S.D.)と命名した。
(37)化學療法の檢討
著者: 三井幸彦 , 山下喜一 , 花房淳
ページ範囲:P.256 - P.257
本日は,最近私共の所で得られた化學療法に關する成果を綜合してお話しいたします。まず最初にColimycin(R)(Colistin-Lion)のHemophilus conjunctivae (K-och-Weeks)菌及び緑膿菌感染に對する應用價値に就てお話しいたします(山下喜一擔當)。
Hemophilus conj.菌による結膜炎には從來Strepto-mycinが良く効くことが知られていましたが(1,2),St-reptomycinには抵抗菌を生じ易い事やアレルギー反應をおこし易い缺點がありました。そこでこの代りにPoly-myxinが更に強力な抗生物質として登場したのでありますが(3,4),輸入品であるため入手が困難でありました。そこで國産の抗生物質ColimycinがPolymyxinと極めで類似している點に着目して實驗してみました。その結果は0.1%のColimycin軟膏を1日3回3日間用いると,本菌による結膜炎を根治させ得ることがわかり,その作用はPolymyxinと同樣bacteriostaticというよりbacteriocidalでさえありますので,本菌による結膜炎治療の第一選擇の抗生物質として採用しうると思います。この使用量で副作用はありません。次に緑膿菌感染に對するColimycinの作用に就て述べます。最近緑膿菌感染が増加して參りました。
(38)ペニシリンの人眼移行について(第1報)
著者: 德田久彌 , 近藤有文
ページ範囲:P.257 - P.260
化學療法劑の眼組織内移行の問題は,臨床的にも重要な基礎的事項の一つであるが,從來報告されたものは,すべて家兎や犬についての成績であつて,人眼に關する報告は殆んどないと云つてもよい。この動物實驗の結果を,そのまゝ人間に應用するわけに行かぬのは勿論であつて,化學療法劑の眼組織内移行が,人眼と家兎眼でどう違うか兩者の間に一定の係數をもつて表わされるような關係があるかどうかを知ることは,日常の臨床に密接な關係のある問題と云うことが出來る。この意味で,われわれが,現在迄に得た成績は,例數も少く,不完全なものではあるが,豫報的な意味で報告し,臨床諸家の御參考に供したいと思う。
人眼の移行成績を述べる前に,これと關連してわれわれが現在迄に行つて來た家兎實驗の結果を簡單にまとめてみると,次のようになる。即ち,
(39)鞏膜透照法に關する研究(2)—正常眼虹彩動脈血壓の測定
著者: 大木陽太郞
ページ範囲:P.260 - P.263
私は先に第56回日眼總會及び第324回東京眼科集談會で鞏膜透照法の中,光電管及び増幅器を以つてする私の新方法に依る報告を行つた。今回は光電管を以つてせず肉眼的又は検眼鏡的に鞏膜透照光に依る眼底觀察に就いて述べ,併せてその際觀察し得る虹彩動脈,特にその血壓に就て言及したい。
(40)網膜中心動脈血壓と淺側頭動脈血壓との關係に就いて
著者: 小口武久
ページ範囲:P.264 - P.269
頭蓋内血壓の状態を推定する有力な手掛かりとして,現在用いられているものの中に,綱膜中心動脈血壓(以下NAD)と淺側頭動脈血壓(以下TAD)の測定がある。前者は眼科醫周知のものであり,後者は1949年勝沼教授の創案に依るものである。私はこれら兩血壓を,Bailliartの眼血壓計で測定し,これと上膊動脈血壓以下(BAD)との關係を調べたので報告し度いと思う。
(41)高血壓患者の前眼部血管細隙燈所見(第1報)—最高血壓及び良性惡性高血契症と前眼部血管の關係について
著者: 竹内榮三郞 , 井上八千代 , 千種正輝
ページ範囲:P.269 - P.273
私達は先年の關東集談會において「結膜血管の細隙燈所見について」と題して,被驗者總數73名について種々の検討を加えたが,今回は當大學内科で高血壓症と診斷された患者及び眼科外來患者中前眼部に病變のない者890名について,更に検討を加えたのでここにこの成績を發表する。
(43)興味ある網膜膠腫の3例
著者: 江口甲一郞 , 光星壽美子
ページ範囲:P.275 - P.279
古くから網膜膠腫は,種々の點に於て論議されているが,最近私共は臨牀的且つ組織學的に興味ある所見を呈した網膜膠腫3例を經驗したので此處に報告したいと思う。
出生時患眼の異常に氣付き,生後30日目に眼球を摘出して,Retinoblastomaであることを認めたのが第1例,初發症状として前房出血を呈した第2例,及び組織學的にAstrocytoma (trueGtioma)であつた晩發性網膜膠腫がその第3例である。
(44)視束交叉蜘網膜炎の眼症状
著者: 柳田長子
ページ範囲:P.279 - P.287
視束交叉蜘網膜炎は1929年Cushing&Eisen-hardtによつて始めて記載されてより,腦外科の發展に伴い,その眼症状に就いても多くの研究が行われ,吾が國に於ても,荒木,庄司,井街(謙並に讓)の各教授をはじめとし,多數の報告が見られる。私も25例の手術症例に就いて,眼症状を考察する機會が與えられたので,その臨床的所見を報告する次第である。
(45)アレルギー性角膜實質炎に就いて
著者: 淸澤兼久
ページ範囲:P.287 - P.291
第5回關東眼科集談會で家兎の實驗的アレルギー性角膜炎(Wessely第V型)の細隙燈顯微鏡所見,特にその起り方に就いて述べた。即ちア性角膜炎は先づ輪部毛細管網の循環障碍滲出に始まり次いでこの滲出が角膜實質内抗原處置部に波及し更に輪部よりの血管新生を伴ないこの角膜内新生血管網の完成する頃終炎する。つまりア性角膜炎は細隙燈的に輪部結膜極小血管系滲出期,角膜内滲出期,角膜内血管新生期,恢復期に分類出來る。之より考えるとア性角膜炎の發現進行は角膜周擁毛細管網の反應に基因すると言える。Rossleの所謂毛細血管系に於ける滲出過程と言う言葉はア性角膜炎にもあてはまるのである。
では角膜周擁毛細管網の滲出性過程のみで,ア性角膜炎を起す事が出來るか,又最近論議されているヒスタミン,アセチルコリンに依りア性角膜炎類似の病像を得られるかどうか,之等の點に就いて實驗を行つたので,その結果を報告する次第である。
(46)急性春季カタルと花粉皮膚反應
著者: 小口昌美 , 内木久郞
ページ範囲:P.291 - P.293
私共は急性春季カタルが所謂春季カタルの初發症状であり,發病時期は風媒花の開花暦(三澤,久内)に一致することを發表した。且つ,その發病原因に就ては花粉説に賛意を表して置いた。Lehrfeld,Fort等は春季カタルの原因を花粉に依るものとした。一方,花粉アレルギーを否定する側に於ては,春季カタルの發病が開花に關係のない嚴寒の候に發病する例のあること,或は花粉の皮内反應が陰性である事等を擧げている。本邦に於ては塚原氏は花粉,家塵,その他各種空氣中に浮游する物質を抗原として皮内反應を實施しているが全例に於て成績は陰性であるとした。私共は花粉などの外,各種微生物,鳥毛獣毛等もアレルゲンとなり得ることは想像し得るものであるが少くとも本症の發病が風媒花の開花暦に一致することは風媒花の花粉に最も密接なる關係あることは常識的にも當然のことであるので,花粉に依る皮膚反應を試み,之を報告する。
(47)血液成分の動揺が眼房水成分に及す相關に就いて
著者: 鈴木兵衞
ページ範囲:P.293 - P.295
眼房水の生成機轉,就中眼房水の糖質が血液中より如何なる機序によつて移行するかという點について明らかにするため,2,3の基礎實驗の後,家兎に濃厚葡萄糖液或いはアドレナリンを注射して,血糖を急激に或いは緩徐に増加上昇させて,その際眼房水及び腦脊髓液の含糖量が如何に血糖の消長に追從するかを逐時的に觀察し,些か結果を得たので報告する。
第一實驗では,家兎の耳靜脈より50%葡萄糖液をpro/kg2cc注射して血糖を急激に上昇させ,第二實驗では1000倍アドレナリンをpro/kg0.05cc皮下注射して血糖を緩徐に上昇させて夫々逐時的に全身或いは血清の含糖量及び眼房水,腦脊髓液の含糖量を測定觀察した。
(48)第一眼位に於ける兩眼網膜對應子午線の相互關係に就て(第2報)
著者: 木村泰三
ページ範囲:P.295 - P.296
私は第1報(日眼57巻第2號)に於てMaddox氏正切スカラと小桿とを以て軸廻斜位を測定する方法に就て述べ,更に健常眼者に該斜位を測定した結果,スカラの垂直板で測定した値(γ)と,横板で測定した値(γ')とでは符號及び大さを異にする事が多い事實より,網膜の生理的歪みに言及した。
此度は健常眼者22名に就き,垂直,水平方向の外に,180°を15°及び30°づつ12或は6等分した斜め方向に於て測定し,各方向に於ける軸廻斜位度の變化より,其の方向の兩眼網膜對應子午線(網膜甥應中央斜識線—假稱)の相互關係を考察せんと試みた。
(49)マグナマイシンの眼科的應用
著者: 田中智惠 , 田畑靜江 , 渡邊公子
ページ範囲:P.297 - P.300
マグナマイシンの眼科的應用に就ては,先に三井,田中,花房1)が成人の急性トラコーマに有効であることを最初に報告した他,内外にその報告を見ない。
私共は,包括體性結膜炎,眼角眼瞼炎等の各種外眼部疾患に使用し,その効果を検討したのでここに報告する。
(40)アドレナルコーテツクス,テラマイシン併用によるトラコーマの治療
著者: 矢追秩榮
ページ範囲:P.301 - P.304
近來我國の醫學及藥學は著しく發達し,トラコーマの樣な難病に對しても續々と有効な新藥が顯われて來た。終戰後私はトヲコーマの治療を思い立ち昭和21年から引續き藥治療法を研究して居るが最近抗生劑たるテラマイシンの0.5%眼軟膏を結膜嚢に塗擦することゝ副腎エキス製劑なるアドレナルコーテツクス原液を生理食鹽水で4倍に稀釋した液の結膜下注射とに著効を認めた。そこ容試みに此兩者を併用して見たが,尚一層治癒率の増進を來し,手術を除いたら是迄の如何なる方法にも劣るまいと云う確信を得たので茲に報告する。
(52)視束乳頭比色に關する臨床的檢眼鏡的研究(第2報)—正常人眼の眼球加壓試驗に就て
著者: 林誠
ページ範囲:P.305 - P.310
眼球を壓迫すると,全身の植物神經支配臓器に機能的變化が起る事はAschner氏現象として知られて居り,壓迫除去後に眼壓が著明に下降する事はSchiotz氏の實驗によつて明にされ,又網膜血管徑に就いては教室の飯塚氏が,除壓後に血管徑の擴大することを報告し,壓迫後眼内諸血壓に變動を來すことは,己に大橋一堀田兩氏によつて記載された所である。
併し乍ら眼球を加壓して,除壓後に生ずる眼底色調の變化を生體で比色したという報告は,私の調べた範圏では見當らない。私はFo oni氏の乳頭壓迫法を更に正確に實施する目的を以て眼球に壓迫負荷を加えた場合の眼底比色値の變動を正常人眼に就て測定した結果,種々興味ある知見を得本法はForoni氏法に優る臨床的乳頭充血診斷法となり得る事が判つたので,ここに報告する。
(52)視束入口部に於ける脂肪沈着に就て
著者: 百瀨光子
ページ範囲:P.311 - P.313
Bücklersが(1929)「かすかに輝いて見える色素を澤山にもつている白色「コ」(コーヌスを「コ」と記すを有する83歳の眼球の組織標本をつくり,その硝子膜特に視束入口部にシヤーラツハロートに強染する脂肪沈着を認めたと報告し,私も老人期の白緑色「コ」を有するものと,脈絡膜血管を透見し得る青色「コ」との2例の追試を行い同樣の結果を得た。(臨眼6巻1號)今回更に症例を重ね追試を行いその意義を探究しようと試みた。
(53)鼻疾患と緑内障との關係に就て(抄録)
著者: 大村博
ページ範囲:P.313 - P.313
由來如何なる眼疾でも左右何れかに限局するか或は左右何れか輕重の差がある。此の理由を知らんと感じ鼻疾と緑内障との關係に就て調べたので報告する。症例は10例で4例は原發性緑内障6例は緑内障の疑いのあるものである。鼻腔通氣障害側と眼底の高い側と一致するもの10例中8例である。尚鼻科的つは副鼻腔炎,萎縮性鼻炎,鼻中隔彎曲症,扁桃腺肥大等が認められた。以上の事から緑内障發生に際し鼻疾が一つの役割を演じている事に就て説じ.そのメハニスムに就て植物神經,翼口蓋神經節,毛樣神經節,眼窩並に眼球内血管の循環障害等の眼壓に及す影響より推説した。要するに鼻疾或は鼻腔通氣障害が眼疾の左右罹患性に及す意義を強調し批判を仰ぐ次第である。尚他の眼疾に就ては後日述べる積りである。
(54)動眼神經・三叉神經領域の連合運動
著者: 佐野圭司 , 竹内一夫
ページ範囲:P.315 - P.320
腦神經の領域には正常に,あるいは病的に種々の連合運動がみられる(5,20,21)。このうち眼科學的にもつとも重要なものはいわゆるMarcusGunn現象あるいはJaw Winking Phenomenonであろう。1883年7月6日のOphthalmologicalSociety of the United Kingdomの集會でロンドンの眼科醫Robert Marcus Gunnは興味ある1症例を報告した(7)。これは15歳の女子で出生時より左眼瞼下垂があり,下顎を右方あるいは前方に動かすとたゞちに下垂せる不全麻痺状態の左上瞼が擧上し,下顎がその位置に留つている間は擧上位を保持した。この現象は多大の關心をもたれ,同學會はGowersを長とする委員會(3人の神經醫と1人の眼科醫より成る)を作つてこの症例の調査を命じた。その結論として下垂瞼の上瞼擧筋は同側の外翼状筋が收縮すると收縮する(その逆はおこらない),つまり外翼状筋・上瞼擧筋連合蓮動pterygoid-levator synkinesis (21)であるということになった。爾來,多數の同樣な症例やら異型やらが報告されている(21,20,6)。我國でも1893年の大西の最初の報告(28)以來,かなりの症例が文献にみられる(23,24,25,26,27,31,32,33等)。しかしながら本症の成因あるいは治療に關しては,いまだ定説というべきものは見當らない樣である。
(55)斜視手術の前進後退法の術式と成績
著者: 井上正澄
ページ範囲:P.320 - P.325
斜視手術に針付カツトグツト4-0號を用いると,縫合糸が弛んだり,抜糸のあと再び斜位に戻る事が少い。デビス,ゲツク社製カツトグツトは高價なため,國産の試作品を日本腸線にて改良研究中であつたが今回漸く使用し得る段階に至つたので,今日まで2年半にわたり著者が行つた斜視手術52例について術式と成績とを述べよう。本成績の最初の10例は米國製カツトグツトを用い,それ以後は和製を用いて今日では何等遜色を認めない。
(56)「プラスチツク」製品挿入による瞼裂位置異常矯正手術の症例
著者: 淸水眞
ページ範囲:P.326 - P.328
合成樹脂(プラスチツク)が發明されて,諸所方々で使用される樣になり,醫學領域に於いても色々と應用され,眼科でも,義眼,義眼床,又最近は眼鏡レンズにまで用いられる樣になつた。私は眼球を摘出した後に埋沒する脂肪等の代用としてこのものの球形のものを2-3の例で挿入して見たが,何れの場合も,數ヵ月後には飛び出されて,見事,失敗に終つている。併し此の場合,球が少し大き過ぎた爲でないかとも思つている。
一方他の例で瞼裂の位置を矯正するのに此の「プラスチツク」製品を挿入して,先ず先ず成功したものが2症例出來たので,此等整形手術の後々の參老とするため茲に報告して書留めて置く次第である。
(57)手持マグネツトによる眼内鐵片摘出の經驗
著者: 福田恒一 , 岡田榮 , 小原弘夫
ページ範囲:P.328 - P.333
戰後鐵工業の再興と共に鐵片眼外傷は我々開業眼科醫の所に於ても次第に多くなりつゝあります。眼内鐵片の摘出に對し巨大マグネツトと手持マグネツトが用いられて居ますが前者は巨大で扱いが容易でなく開業醫には用い難いことは周知の事實であります。手持マグネツトは操作簡單でありますが巨大マグネツトの如く強力でないため常に摘出出來るとは限らない缺點があります。
私共は昭和26年度より所謂大熊式の手持電磁石を使用して眼内鐵片摘出を9症例に實施して良好な成績を得たるをもつてこゝに御報告して御參考に供したいと存じます。
(58)老視眼及び老眼鏡と云う名稱の改訂
著者: 星川長之助
ページ範囲:P.333 - P.334
老視眼及老眼鏡の名稱は舊式のものであり,一般衆人からは嫌われ,恰好のものでないのは,私の30年來の所感であるが,近來は特に痛切に感ずる所である。
「人間は80歳からポツポツと老境に入るのだ」とは元駐日佛國大使「ペチコフ」氏の言であるが伊豆の某村では80歳以上にならぬと,村の敬老會に加入を許さぬと「ラジオ」が放送して居る。
(59)眼瞼血管腫ラヂウム治療により發生した白内障及び皮膚潰瘍の治驗例
著者: 鈴木貴美枝 , 豊田兼子
ページ範囲:P.334 - P.338
顔面皮膚血管腫の治療として現今最も効果的なものはラヂウム(以下Ra.と記す)照射であると云われて一般に廣く用いられている。私は最近血管腫治療の目的でa.の大量を照射した爲,長年月を經て發生したものと思われる白内障並に皮膚潰瘍による瘢痕性下眼瞼外反症を發生した患者に遭遇し,水晶體剔出手術及びクラウゼ氏法皮膚移植によつて之等を全治せしめ得たので報告する。
(60)異常兒に於ける頸部動靜脈吻合術の眼科的知見
著者: 大岡良子 , 大神妙子
ページ範囲:P.338 - P.341
所謂異常兒即ち精神薄弱兒の治療に關しては,從來,藥物,放射線,或は發熱療法等種々の方法が試みられてきた。その中で,精神薄弱兒の腦代謝が正常兒に比して低い點に着目した一治療法として,グルタミン酸投與療法がある。精神薄弱兒の腦代謝低下は,腦脊髓液内ビタミンC測定に際して,還元型ビタミンC量が智能程度に略々比例すること——ビタミンCが腦組織呼吸に關係する事は實驗的に確められている——,更に精神薄弱兒の生體腦内における検索で,腦皮質病變部の還元型ビタミンC量が特に少いこと,又精神薄弱兒の腦氣頭像所見として,屡々腦實質萎縮像が認められる等の諸點からも推察されるところである。そこで,腦組織呼吸促進作用を有するグルタミン酸を投與して,その治療効果を期待したのである。之と同じ目的で,頸部動靜脈間に吻合を行い,血流を一部逆轉させて腦循環血量を増加せしめる事によつて,腦代謝促進をはかろうとする手術が精神薄弱兒のみならず,成人の腦血管傷害による疾患に對しても行われている。
異常兒が,身體の發育異常に伴つて種々眼症状を呈する事は,古くより論述せられてきたところである。
(76)1%ILOTYCIN軟膏によるTRACHOMA集團治療の成績
著者: 鴻忠義
ページ範囲:P.343 - P.346
ILOTYCIN (以下ITと略記す)の性状1)2)には(1)弱アルカリ性に於て抗菌力が最も強く,水溶液のpHは9.0である。(2)低温並びに室温に於て略々安定容ある。(3)抗菌スペクトルが非常に廣く主としてグラム陽性菌に對してであるがナイセリア及びヘモフイリス等のグラム陰性菌にも,亦リケツチア及び比較的大型のウイルスにも感受性があり,且つ他の抗生剤と交叉耐性が認められない,等と眼科領域から見て寔に頼もしい特徴を持つているが眼科的使用は曩に鴻・陶山3)が1%IT軟膏を各種外眼部疾患に用いた成績を報告したのが最初のもので,其の後1,2が散見されるに過ぎない。ITのTRACHOMA (以下Tr.と略記す)に對する効果は私共の報告の中で1%IT軟膏を1日1乃至3回の点入を行うとP氏小體は3乃至5日で消失し,Tr.Ⅰには著効,Tr.Ⅱ及びTr.Ⅲにも有効であると述べておいたが,今春來5小・中・高等學校のTr.集團治療に1%IT軟膏を使用して良好な成績を收め,Tr.に對する効果を確認し得たので茲に報告します。
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特集 網膜病変の最近の考え方と新しい知見
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特集 緑内障診療の新しい展開
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特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (9)
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特集 手術のタイミングとポイント
60巻10号(2006年10月発行)
特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (8)
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特集 第59回日本臨床眼科学会講演集 (7)
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特集 どこまで進んだ 分子病態の解明と標的治療
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特集 眼科における最新医工学
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特集 コンタクトレンズ2004
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特集 白内障手術の傾向と対策―術中・術後合併症と難治症例
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特集 網膜色素変性症の最前線
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特集 ベーチェット病研究の最近の進歩
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特集 眼窩腫瘍
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56巻9号(2002年9月発行)
特集 緑内障診療ガイド—今日の戦略
56巻8号(2002年8月発行)
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特集 角膜屈折矯正手術を手がける前に
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特集 診断と治療の進歩—第53回日本臨床眼科学会シンポジウム
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特集 インフォームドコンセント時代の眼科外来診療マニュアル—私はこうしている
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特集 OCT
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特集 眼科診療に役立つ基本データ
49巻10号(1995年10月発行)
49巻9号(1995年9月発行)
49巻8号(1995年8月発行)
49巻7号(1995年7月発行)
49巻6号(1995年6月発行)
特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(4)
49巻5号(1995年5月発行)
特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(3)
49巻4号(1995年4月発行)
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特集 第48回日本臨床眼科学会講演集(1)
49巻2号(1995年2月発行)
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特集 ICG螢光造影
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特集 高齢患者の眼科手術
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特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(4)
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特集 第47回日本臨床眼科学会講演集(3)
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47巻13号(1993年12月発行)
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特集 白内障手術 Controversy '93
47巻10号(1993年10月発行)
47巻9号(1993年9月発行)
47巻8号(1993年8月発行)
47巻7号(1993年7月発行)
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特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(3) 1992年11月東京
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特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(2) 1992.11.6-8 東京
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特集 第46回日本臨床眼科学会講演集(1) 1992.11.6-8 東京
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特集 眼科治療薬マニュアル—私の処方箋
46巻10号(1992年10月発行)
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46巻8号(1992年8月発行)
特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(6)1991年10月 広島
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特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(5)1991年10月 広島
46巻6号(1992年6月発行)
特集 第45回日本臨床眼科学会講演集(4)1990年10月 広島
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40巻8号(1986年8月発行)
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第25回日本臨床眼科学会 GROUP DISCUSSION
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第25回日本臨床眼科学会 GROUP DISCUSSION
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25巻12号(1971年12月発行)
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25巻10号(1971年10月発行)
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第24回日本臨床眼科学会 Group Discussion
25巻5号(1971年5月発行)
第24回日本臨床眼科学会 Group Discussion
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第24回日本臨床眼科学会 Group Discussion
25巻3号(1971年3月発行)
25巻2号(1971年2月発行)
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特集 網膜と視路の電気生理
24巻12号(1970年12月発行)
特集 緑内障
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特集 小児眼科
24巻10号(1970年10月発行)
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24巻8号(1970年8月発行)
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特集 第23回日本臨床眼科学会講演集(その6)
24巻5号(1970年5月発行)
特集 第23回日本臨床眼科学会講演集(その5)
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特集 第23回日本臨床眼科学会講演集 (その4)
24巻3号(1970年3月発行)
特集 第23回日本臨床眼科学会講演集 (その3)
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特集 第23回日本臨床眼科学会講演集 (その2)
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23巻12号(1969年12月発行)
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21巻1号(1967年1月発行)
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創刊20周年記念特集 眼科最近の進歩
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20巻4号(1966年4月発行)
特集 第19回日本臨床眼科学会講演集 (その3)
20巻3号(1966年3月発行)
特集 第19回日本臨床眼科学会講演集 (その2)
20巻2号(1966年2月発行)
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19巻11号(1965年11月発行)
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19巻9号(1965年9月発行)
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19巻7号(1965年7月発行)
19巻6号(1965年6月発行)
19巻5号(1965年5月発行)
特集 第18回臨床眼科学会特集号(その4)
19巻4号(1965年4月発行)
特集 第18回臨床眼科学会特集号(その3)
19巻3号(1965年3月発行)
特集 第18回臨床眼科学会特集号(その2)
19巻2号(1965年2月発行)
特集 第18回日本臨床眼科学会講演集 (その1)
19巻1号(1965年1月発行)
18巻12号(1964年12月発行)
特集 眼科臨床における診断・治療上の困難例
18巻11号(1964年11月発行)
18巻10号(1964年10月発行)
18巻9号(1964年9月発行)
18巻8号(1964年8月発行)
18巻7号(1964年7月発行)
18巻6号(1964年6月発行)
18巻5号(1964年5月発行)
特集 第17回日本臨床眼科学会講演集(その4)
18巻4号(1964年4月発行)
特集 第17回日本臨床眼科学会講演集(その3)
18巻3号(1964年3月発行)
特集 第17回日本臨床眼科学会講演集(その2)
18巻2号(1964年2月発行)
特集 第17回日本臨床眼科学会講演集(その1)
18巻1号(1964年1月発行)
17巻12号(1963年12月発行)
特集 眼科検査法(3)
17巻11号(1963年11月発行)
特集 眼科検査法(2)
17巻10号(1963年10月発行)
特集 眼科検査法(1)
17巻9号(1963年9月発行)
17巻8号(1963年8月発行)
17巻7号(1963年7月発行)
17巻6号(1963年6月発行)
17巻5号(1963年5月発行)
特集 第16回日本臨床眼科学会号(4)
17巻4号(1963年4月発行)
特集 第16回日本臨床眼科学会号(3)
17巻3号(1963年3月発行)
特集 第16回日本臨床眼科学会号(2)
17巻2号(1963年2月発行)
特集 第16回日本臨床眼科学会号(1)
17巻1号(1963年1月発行)
16巻12号(1962年12月発行)
16巻11号(1962年11月発行)
16巻10号(1962年10月発行)
16巻9号(1962年9月発行)
16巻8号(1962年8月発行)
16巻7号(1962年7月発行)
16巻6号(1962年6月発行)
16巻5号(1962年5月発行)
16巻4号(1962年4月発行)
特集 第15回臨床眼科学会号(3)
16巻3号(1962年3月発行)
特集 第15回臨床眼科学会号(2)
16巻2号(1962年2月発行)
特集 第15回日本臨床眼科学会講演集 (1)
16巻1号(1962年1月発行)
15巻12号(1961年12月発行)
15巻11号(1961年11月発行)
15巻10号(1961年10月発行)
15巻9号(1961年9月発行)
15巻8号(1961年8月発行)
15巻7号(1961年7月発行)
15巻6号(1961年6月発行)
15巻5号(1961年5月発行)
15巻4号(1961年4月発行)
特集 第14回臨床眼科学会号(3)
15巻3号(1961年3月発行)
特集 第14回臨床眼科学会号(2)
15巻2号(1961年2月発行)
特集 第14回日本臨床眼科学会講演集 (1)
15巻1号(1961年1月発行)
14巻12号(1960年12月発行)
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特集 故佐藤勉教授追悼号
14巻10号(1960年10月発行)
14巻9号(1960年9月発行)
14巻8号(1960年8月発行)
14巻7号(1960年7月発行)
14巻6号(1960年6月発行)
14巻5号(1960年5月発行)
14巻4号(1960年4月発行)
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特集
14巻2号(1960年2月発行)
特集 第13回臨床眼科学会号
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13巻12号(1959年12月発行)
13巻11号(1959年11月発行)
13巻10号(1959年10月発行)
13巻9号(1959年9月発行)
13巻8号(1959年8月発行)
13巻7号(1959年7月発行)
13巻6号(1959年6月発行)
13巻5号(1959年5月発行)
13巻4号(1959年4月発行)
13巻3号(1959年3月発行)
13巻2号(1959年2月発行)
特集 第13回臨床眼科学会号
13巻1号(1959年1月発行)
12巻13号(1958年12月発行)
12巻11号(1958年11月発行)
特集 手術
12巻12号(1958年11月発行)
12巻10号(1958年10月発行)
12巻9号(1958年9月発行)
12巻8号(1958年8月発行)
12巻7号(1958年7月発行)
12巻6号(1958年6月発行)
12巻5号(1958年5月発行)
12巻4号(1958年4月発行)
12巻3号(1958年3月発行)
特集 第11回臨床眼科学会号
12巻2号(1958年2月発行)
12巻1号(1958年1月発行)
11巻13号(1957年12月発行)
特集 トラコーマ
11巻12号(1957年12月発行)
11巻11号(1957年11月発行)
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11巻9号(1957年9月発行)
11巻8号(1957年8月発行)
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11巻6号(1957年6月発行)
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11巻4号(1957年4月発行)
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特集 第10回臨床眼科学会号
11巻1号(1957年1月発行)
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特集 トラコーマ
10巻12号(1956年12月発行)
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10巻10号(1956年10月発行)
10巻9号(1956年9月発行)
10巻8号(1956年8月発行)
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10巻5号(1956年5月発行)
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特集 第9回日本臨床眼科学会号
10巻3号(1956年3月発行)
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10巻1号(1956年1月発行)
9巻12号(1955年12月発行)
9巻11号(1955年11月発行)
9巻10号(1955年10月発行)
9巻9号(1955年9月発行)
9巻8号(1955年8月発行)
9巻7号(1955年7月発行)
9巻6号(1955年6月発行)
9巻5号(1955年5月発行)
9巻4号(1955年4月発行)
特集 眼科臨床の進歩Ⅲ
9巻3号(1955年3月発行)
9巻2号(1955年2月発行)
特集 第8回日本臨床眼科学会
9巻1号(1955年1月発行)
8巻12号(1954年12月発行)
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特集 第7回臨床眼科学會
8巻1号(1954年1月発行)
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特集 眼科臨床の進歩Ⅱ
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特集 第6回日本臨床眼科学会講演集(普通講演)
7巻1号(1953年1月発行)
6巻13号(1952年12月発行)
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特集 眼科臨床の進歩Ⅰ
6巻12号(1952年11月発行)
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特集號 第5回關東甲信磐越眼科集談會
6巻1号(1952年1月発行)
5巻12号(1951年12月発行)
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5巻1号(1951年1月発行)
4巻12号(1950年12月発行)
4巻11号(1950年11月発行)
4巻10号(1950年10月発行)
4巻9号(1950年9月発行)
4巻8号(1950年8月発行)
4巻7号(1950年7月発行)
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