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特集 第7回臨床眼科学會 普通講演
(13)慢性軸性視神經炎の臨界融合頻度(第1報)
著者: 陶山脩夫1
所属機関: 1千葉大學眼科
ページ範囲:P.164 - P.170
文献購入ページに移動 伊東教授に依つて唱導せられた輕症慢性軸性視神經炎に關しては當教室に於ける多年に亙る臨床的並に實驗的研究の結果視能の面に少なからぬ缺陥の有る事を實證して來た。
Flicker現象の光覧の場に於ける生理的機序より考えるならば,通常使用している河本氏中心暗點計及び黑板視野計に依つて計測された結果よりも,融合頻度の計測は網膜部位の機能状態をより明かに現わすものであると云うことは當然考えられる。私は融合頻度の計測は臨床的に網膜並に,其の傳導系の障碍の程度を定量的に示す價値ある方法と考えたので,健常眼と視力良好な本症患者との融合頻度を夫々中心部及び傍中心部に於て計測し,兩者の間に差異を認めるや否やに就き比較検討した處,未だ症例も少く結論を得る迄には至つて居ないが本症に於て有力な診斷的價値を有する検査法の一つとなり得ると思われたので,其の大要を報告する。
Flicker現象の光覧の場に於ける生理的機序より考えるならば,通常使用している河本氏中心暗點計及び黑板視野計に依つて計測された結果よりも,融合頻度の計測は網膜部位の機能状態をより明かに現わすものであると云うことは當然考えられる。私は融合頻度の計測は臨床的に網膜並に,其の傳導系の障碍の程度を定量的に示す價値ある方法と考えたので,健常眼と視力良好な本症患者との融合頻度を夫々中心部及び傍中心部に於て計測し,兩者の間に差異を認めるや否やに就き比較検討した處,未だ症例も少く結論を得る迄には至つて居ないが本症に於て有力な診斷的價値を有する検査法の一つとなり得ると思われたので,其の大要を報告する。
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