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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科8巻2号

1954年02月発行

文献概要

特集 第7回臨床眼科学會 普通講演

(28)低眼壓と視機能—附・低眼壓の定義,範圍及び分類

著者: 須田經宇1

所属機関: 1熊本大學眼科

ページ範囲:P.228 - P.232

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 血壓が異常に上昇すれば,即ち高血壓の場合には勿論身體に種々なる障碍を來たし,又,血壓が正常値よりも低いもの,即ち低血壓の場合にも多くは精神々經症状,循環系症状,消化器症状,呼吸器症状,泌尿器症状,性器症状をみ,眼症状としては霧視,黑視,閃光視等が現われ,體温は一般に低いと言われている(文献3參照)。他方眼壓に於いては異常なる上昇は緑内障となり(眼壓が正常値より上昇しただけでは緑内障とは言わないが)視機能の障碍されることは周知の事實であるが,眼壓が正常値よりも低い場合,即ち低眼壓の視機能については餘り論議されておらない。それは我々が日常遭遇する低眼壓は網膜剥離,葡萄膜萎縮等の合併症があるもの,即ち續發性低眼壓であり,「眼壓が低いこと」だけが視機能に影響するかどうかの研究の材料に適する原發性低眼壓(後述の分類參照)は稀であるために研究がしにくいからであろうと思う。正常人眼の眼被膜に痩孔を作り低眼壓に陥させそして視機能を検査すればこの研究には良い方法であろうが,そんなことは出來ない。そこでこの問題の材料としては不完全ながら時に遭遇する次のものを取り上げてみたいと思う,即ち減壓手術を施行された緑内障が時に比較的長期間正常眼壓以下に留まるもの,所謂,持續的低眼壓眼である。然も白内障,網脈絡膜剥離等の合併症を有しない本症である。そして本症の發生前後の視機能を比較すれば低眼壓の視機能に對する影響の有無の大凡その見當はつくと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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