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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科8巻3号

1954年03月発行

臨床實驗

松毛虫による結節性眼炎の1例並にコーチゾン点眼の效果に就て

著者: 土屋淳之1 田邊一郞1

所属機関: 1新潟大学眼科教室

ページ範囲:P.404 - P.407

文献概要

 結節性眼炎とは毛虫の毛によつて起り,結膜や虹彩に結節を作るもので,顔面に投擲されたり,林間に於て不意に落下する等毛虫が相当な勢を以て眼球に衝突した際に起るものである。虫毛は眼球組織内に入り結核様結節を作り,屡々重篤なる眼内炎症を惹起するもので,而もその経過中その炎症は,軽減再発を繰返すを特徴とするものである。Wagenmann (1890)はこの結節を組織学的に研究して,毛虫によつて起る仮性結核Pseudotu-berculose Entzundung durch Raupen haareと称し,Saemischは結節を生ずるを特有とし結節性眼炎Ophthalmia nodosaと命名した。
 本症に就てはGraefe-Saemisch Hb中Wa-genmannの詳細な記載がある、が吾国に於ける報告は未だ多くない。嘗て吾教室からも菅又氏(昭8)が報告したが,私共も最近本症の1例を経験してコーヂソン点眼の下に長期に亘つて経過を観察することが出来たのみならず,この間結膜よりの切除切片に就き前後2回に亘つて組織学的検査もなすことが出来たので,それらの威績に就き簡単に報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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