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臨床實驗
間歇性眼球突出症の1例
著者: 呉耀南1
所属機関: 1基隆医院眼科
ページ範囲:P.413 - P.417
文献購入ページに移動 本症は身体頭部の変位,怒号,咳,嘔吐,持続性呼気,腹圧,身体労役,或は頸靜脈圧迫等,凡て頭部に靜脈性欝血を来す様な動作によつて眼球突出し,此等の動作が止むと再び旧位置に復する状態を称するのであるが,Schniidt氏が1805年に其の1例を報告したのを嚆矢とし,従来稀有な眼疾患とされている。嘗てBirch-Hirschfeld氏はライプチヒ大学の眼科外来で16年間15万人の患者中僅かに1例,八坂氏は35年間約7万人の患者中1名を診した。Sarkowskij氏は1935年に20万人の患者中1例を見,それがロシヤ文献の2例目であつたと報告している。Birch-Hirschfeld氏は1805年〔Schmidtの第1例を初めとし〕から1906年迄の100年間に於ける報告症例56例を集め,その後WissmannとSchulz両氏は1921年に至る15年間の25例を,次で雲英氏は1931年に至る迄の10年間の31例を追加したのであるが,今回余は偶々本症患者の1例に遭遇したので之を追加報告し,雲英氏に洩れた8例と,更に1932年より現在に至る迄調べ得た所の24例,合わせて32例を蒐めて内外文献総数144例を算することが出来た。台灣に於けろ報告は本例を以つて嚆矢とする。
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