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臨床実驗
Moebius氏症候群について
著者: 宮澤稔1
所属機関: 1大阪市立医大眼科
ページ範囲:P.498 - P.500
文献購入ページに移動 総じて腦神経の先天性麻痺は珍らしいものであるが,その中で眼筋支配神経と顔面神経の麻痺とは割に多く,特に後者は解剖学的関係よりして,色々の原因によつて,障害を蒙りやすいものである。
欧米の文献を見るに,1880年A.v.Graefeが顔面神経麻痺を伴つた先天性眼筋麻痺の1例を始めて発表して以来,Harlan (1881),Chisholm(1882)の報告につゞいて,Moebiugは1888年より1892年にわたり,このような症例の44例を集め,これを分類報告した。そこで現在このような先天性であつて,顔面神経麻痺と眼筋麻痺を合併した腦神経麻痺の症候群,すなわち先天性眼一顔面神経麻痺(congenital oculo-facial palsy)をMobiusの症候群とよんでいるのである。
欧米の文献を見るに,1880年A.v.Graefeが顔面神経麻痺を伴つた先天性眼筋麻痺の1例を始めて発表して以来,Harlan (1881),Chisholm(1882)の報告につゞいて,Moebiugは1888年より1892年にわたり,このような症例の44例を集め,これを分類報告した。そこで現在このような先天性であつて,顔面神経麻痺と眼筋麻痺を合併した腦神経麻痺の症候群,すなわち先天性眼一顔面神経麻痺(congenital oculo-facial palsy)をMobiusの症候群とよんでいるのである。
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