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銀海餘滴
クエン酸・サイクル
著者: 杉靖三郞
所属機関:
ページ範囲:P.532 - P.532
文献購入ページに移動 人間が活動するときのエネルギーの源は,主として糖の燃燒によるのだが,これが,どのような段階を経て変化してゆくのか,ということは,酸素のない,条件の下では,糖の分解(解糖作用)によつて焦性ブドウ酸を経て乳酸ができることは,比較的はやくからわかつていた。ところが,酸素のあるときに,炭酸ガスと水とに分解するのか,どのような過程によるのかということは,実のところまだよくわかつていなかつた。
ところで,この糖焦性ブドウ酸の酸化経路を明らかにしたものが,イギリスのシエフイールド大学,生化学教授のクレーブス(Hans Adolf Krebs)博士である。これがクエン酸を中心とする物質の輪廻によつておこるので,これを"クエン酸・サイクル"または,"クレープス・サイクル"とよぶ。この説は,すでに1937年頃出されたが,その正しいことが確認され最近の(1953年度)ノーベル医学生理学賞が与えられたのである。
ところで,この糖焦性ブドウ酸の酸化経路を明らかにしたものが,イギリスのシエフイールド大学,生化学教授のクレーブス(Hans Adolf Krebs)博士である。これがクエン酸を中心とする物質の輪廻によつておこるので,これを"クエン酸・サイクル"または,"クレープス・サイクル"とよぶ。この説は,すでに1937年頃出されたが,その正しいことが確認され最近の(1953年度)ノーベル医学生理学賞が与えられたのである。
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