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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科8巻5号

1954年05月発行

銀海餘滴

流行性肝炎

ページ範囲:P.604 - P.604

文献概要

肝炎の由来
 1886年ワイルにより一種の伝染性黄疸が記載され,1915年稲田および井戸らによりその病原体が発見されたが,このワイル氏病およびその類似疾患とは別に経過良好で,従来カタル性黄疸と呼ばれたものはウイルヒヨウが1864年に胃,十二指腸にカタルがあり,これが胆道,特に総輸胆管開口部に進んで,粘液の塊が開口部を閉塞する為に黄疸が起るのであるとしてつけた名前である。
 その後の研究の進むに従い粘液塊で閉塞される例は少なく,また何ら炎症を伴わない例が多いことから,カタル性と言う名前を改めて,単純性黄疸などとも言われていたが,第1次大戦中エツピンゲルが黄疸にかかつている兵士の戦死した者を解剖したところ,今までカタル性黄疸,単純性黄疸といわれていたものの大部分は胃,十二指腸,胆道のカタルと関係がなく,肝臓そのものに特有の変化が存在するのを確め,カタル説にかえて,肝炎説をとなえた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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