臨床眼科8巻5号

1954年05月発行

銀海餘滴

ヒロポン中毒

ページ範囲：P.631 - P.631

文献概要

　覚醒剤の作用は人間にどんな作用を及ぼすかを見ると，脳の中枢を亢奮させる作用と，神経の末梢を亢奮させる作用とがある。
　中枢性に作用すると，気分が活気つき，精神作業能力が増進して能率が上り，疲労が軽減し，亢奮して言葉も多くなる，末梢作用は血管は縮收し，血圧は上昇する。又消化器，水道，胆嚢などの痙攣をゆるめる作用がある。これらの作用は服用よりも注射の方が効果が速かにあらわれるものである。