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雑誌目次

雑誌文献

臨床眼科8巻6号

1954年06月発行

雑誌目次

社会保健眼科診療報酬点数表(Ⅰ)

ページ範囲:P.649 - P.649

連載 眼科圖譜・1

1.單眼症/2.上眼瞼の睫毛内反

著者: 中村康

ページ範囲:P.653 - P.654

 病理解剖に来たものである。母親は3同目の妊娠で妊娠経過も順調である。分娩に異常はなかつた。生れて初めて異様な新産児であるため母親には死産と教えて見せなかつた。其処で家族歴を調べたが血縁に畸型児を生んだものがない。生れた直後には生命を保つていたようであるが,分娩臍帯切断後直ちに死亡した。
 外見は図のように顔の中央に単眼をもち,角膜を被つた瞳孔らしいものが二コある。鼻孔がなく,眼の上方に突起がある。多くの報告を見ると鼻と言うことになつている。眼窩は一つで視束も一本に見える。組織的検査がしてないので眼球の構造に就ては不明である。

綜説

緑内障の治療(そのⅠ)—原發性緑内障に就て

著者: 赤木五郞

ページ範囲:P.655 - P.658

 緑内障の発症機転は既に本誌7巻6号に述べた如く,今日尚詳らかにされて居ない。従つて其の治療法に就ても現在の処未だ根本的なものは無く何れも眼圧に対する対策のみに終始して居り単に病的に亢進した眼圧を正常範囲内迄降下せしめると云う手段に過ぎない。従つて疾病の根本原因は除去されないままであるため,たとえ眼圧のみが正常範囲内迄下降したとしても,病気の進行は依然停止せず視野の狭窄,視力の障碍は次第に進行し続ける症例が尠からず存在する事を我々は常に念頭に置かなければならない。たとえば,Reese氏は初期の単性緑内障患者に就き管錐術を行い眼圧が正常値まで降下した51症例の遠隔成績を調査し,5年後には其の内5例に視野の進行性狭窄を認め,又或る程度病勢の進行した緑内障102症例に就ては其の内39眼に視野狭窄を認めたと報じ,Burke氏は手術に依り眼圧が正常値に恢復した緑内障の内50%は5年以上の経過の内に次第に視野が狭窄し来るとの成績を得て居る。従つて我々は緑内障の治療効果を判定する場合,眼圧降下が一応の目標とは成り得るが,単に眼圧下降のみを以て満足せず,更に永い経過に亘つて視野並に視力を監視し此等に障碍の進行を全く認めない場合初めて治癒したものと判断す可きであり若しも少しでも此等に異常を認めた際は直に以下述ぶるが如き諸種の療法を吟味しつつ,適切なる措置を講じ,以て病勢の進行を阻止する事を常に銘記しなければならない。

トラコーマに關する實驗的研究

著者: 荒川淸二

ページ範囲:P.659 - P.666

 トラコーマ(以下トと略す)は古く紀元前2500年に於て埃及の医者Pepi Ankhが明確に記載しているというから,随分古くから知られた病気らしい。わが国でも胞肉生瘡というのは明かにトであるという。又これが伝染性疾患であることも今日一般に認められている。しかしその本態的,病原的な研究については明確であるとはいゝ難く,トの定義についても大体の処は一致しても,細部になると必ずしも一致しないのが現状である。例えば後述する包括体性結膜炎とトに対する諸家の意見のごときである。けれどもその病原の正確なる把握なくしては,当否についての判定は困難であつたし,その鍵を握る病原の研究は適当な実験動物乃至はその駆使の方法が見出されていなかつたので,一応停滞していたやうにも思はれる。
 他方この病原が濾過性のウイルスであることはThygeson (1935)がト患者の材料を平均孔径0.6μのGradocol膜を通過せしめた濾液を人間に接種発病せしめたことでも明であるし,Halberstat-ter及びProwazek (1907)によつて,はじめて記載された封入体乃至その構成物とされる基本小体の研究その他の免疫学的研究などによつて,大体鼠蹊淋巴肉芽腫症(当時の伝研所長宮川教授の下で恩師矢追博士が中心となつて遂行された仕事に敬意を表し,今日鸚鵡病も含めて之等の病原はMyagawanellaと称されていることは世界周知のごとくである。

臨床実験

視束炎の分類と断診について

著者: 桑島治三郞

ページ範囲:P.669 - P.672

〔Ⅰ〕古典的分類
 視束(=視神経)の炎性病変を意味する視束炎Neur-itis fasciculi optici, optic neuritisには,昔から病変の部位によつて色々な病型が分類される。
 例えば,初め,次の三型にわけるのが便利であるとする見解があつた。

眼球加圧(須田)曲線に就て

著者: 平岡寅次郞

ページ範囲:P.672 - P.683

 原発性緑内障に関しては古来数多くの研究があり,近来我が邦を始め欧米眼科学会の研究の主題をなすものの如く続々と成果が発表されて居るが今尚その本態は不明であり,その学説のいずれを採つても緑内障全般の説明をつげることはむずかしい現状である。しかして緑内障に就ての早期診断法は従来より種々試みられている。
 即ち,暗室試験,コーヒー試験.散瞳試験,飲水試験,眼圧日差試験,所謂不安定試験,マ氏盲点検査,真空コツプ試験等である。先きにT.L.ThomassenはバイヤールのOphthalmodina-mometer.にて角膜耳側へ25g 2分間の圧迫試験を行い,その結果より本検査の極めて有意義なることを述べて居るが,これに対し本邦では1948年熊大須田教授が圧迫試験を発表し,続いて同教室鎌尾日隈氏が種々なる負荷試験の実験の結果,50g圧迫試験が最も好結果を得,緑内障眼にては100%,正常眼にては僅に8%の陽生率ありと発表されたのである。振り返つて緑内障を房水の循環障碍なる見地より見れば,ここに当然,次の3型がその原因と考えられる。即ち戻水過剩型,排泄障碍型,両者の混合型がそれである。以上のことは著者をして圧迫試験の曲線の経過に何らかの影響を現わし,時とすれば特異なる曲線を描くならんとの考えをもたらした。ここで種々なる緑内障眼,又之が対象として正常眼より得たる曲線に就き観察を行いたるところ,三型の分類にみるべき成果を得たのである。

ヨードピラセトンによる眼窩レントゲン撮影

著者: 池田靜鴻

ページ範囲:P.684 - P.685

 眼窩の真性腫瘍は極めて多種あり,又これと鑑別すべき脳脱,腦膜脱等もある。これ等の外部からの診断は困難で,手術してはじめて診断のつく事が多く.何かわからずにメスをあてるので,従て不安であり且つ又危険なしとは云えない。故にレ線撮影により間接的に,腫瘍等の部位,大さ出来得ればその形から性質をも推定した上で手術を行いたい。かゝる目的から家兎眼の球後に造影剤を注入し,レ線撮影を行い,次の様な結果を得たので報告する。

眼窩及び其他骨組織に現われた多發性骨髓腫の1例並にP32使用経験

著者: 橋本豊島 ,   淸水金郞

ページ範囲:P.686 - P.689

 多発性骨髄腫はKahler氏病とも称され甚だ稀な疾患である。1864年にVirchowが骨髄から発生する腫瘍のある事を予想して,之れを骨髄腫と呼ぶ様に提唱した。所が1873年にRustitzkyが始めて之れの症例を報告し,次で1889年にKahlerが詳細な報告をした。最近我々は骨髄腫の為に眼症状を来した症例に遭遇したので報告し,症例を追加する次第である。

扁桃腺摘出後に現われた眼窩漏斗尖端部症候群の1例

著者: 櫻井道子

ページ範囲:P.691 - P.694

 私は扁桃腺摘出後に,眼窩漏斗尖端部症候群を示した症例に遭遇したが,その成立機転に関していささか興味深い点があるので茲に報告する次第である。

諸種薬剤に對する緑内障眼角膜周擁血管の態度—附Efferent Veinに就て

著者: 樋田敏夫

ページ範囲:P.694 - P.698

研究目的
 一昨年10月東京眼科集談会に於きまして,私は少数でありますが,諸種の型の緑内障眼に諸種の藥剤主として千倍乃至五千倍のアドレナリンを点眼して該眼の角膜周擁部動毛細管が收縮し,血行停止に到る時間及び再び動毛細管が拡張して血行が回復するに到る時間を測定し,緑内障眼に於ては正常眼に比し收縮時間が遅延し回復時間が短縮するという結果より緑内障は局所に於ける植物神経系の異常緊張により血液循環障碍が起つて居る結果生ずるものならんと述べたのでありますが,以来1年3ヵ月を経,多少の例数も増加しましたので,其の後の成績なり,又新たに得た知見なりを御報告し諸先輩の御批判を仰ぎたいと思うものであります。

トラコーマの疫学的観察(第1報)—眼科医療施設に就て

著者: 許秋木

ページ範囲:P.698 - P.701

トラコーマの蔓延に就て調査する場合,其の対象に次の様なものが考えられる。第1には患者の密集するトラコーマ濃厚地区(同和事業対象地区)である。之は各府県により分布が判然として居り且つ他の地区との交流も少く主として同一濃厚地区内文の感染が行われるのみで,其の対策も自ら同一地区内のみの予防で終始し得る。此の様な地区での観察は比較的今迄に多く報告されて居り,一括して見ると家庭内感染の高度な事,乳幼児の罹患に母親との関係のある事,生活環境の不潔な事が挙げられる。香川と余は戦後の大阪府のこれ等の地区に就て調査し,大阪府予防年鑑(1950,1951年版)に発表したが我々の報告も今迄の報告とほぼ同様であつた。第2は学童である。之に就ての報告は多く戦前戦後を通じてのトラコーマの疫学的報告はほとんどが学童に関するものと称して差支えない程である。此の理由としては
 1.学童は時間的に労力的に把握が容易である。

眼窩ノイリノームの1例に就いて

著者: 森川修一 ,   竹谷喜平

ページ範囲:P.701 - P.705

 眼窩腫瘍は稀な疾患とは云えないが,我々は最近眼窩Neurinomを経験したので,報告します。

各型緑内障に於ける隅角所見

著者: 增田信男

ページ範囲:P.707 - P.715

Ⅰ緒言並に文献的考察
 緑内障に於ける隅角検査はその隅角部が房水の流出部として生理学的,病理学的意義は極めて重要であつて,特に緑内障の診断其の他の疾患に於て重要であるにも拘わらず,直接視診する事が出来なかつた為に,此の方面の研究が余り発達しなかつたし,又一般に重要視されなかつた。
 隅角部の観察法を初めて発見したのは,1704年Mery (メリー)が眼を水中に入れるときに,其の眼底は容易に見得る事に気付いた。そして1851年チエルマツクが此の理論を応用してオルトスコープ(Orthoskop)なるものを創製した。1898年Trantas,次でBathen (1910),水尾(1912),Salzmann (1914〜1915),Kaeppe,Trancoso,Goldmann,Allen,Sugar,が各々隅角所見に付いて発表した。Bathenは角膜を水中に浸すと前房隅角部より発する光線は大部分角膜面にて反射する事なく,外界に射出するを以つてよく隅角部の状態を視診する事が出来る。

急性球後視神経炎の像をもつて始つた原田氏病症例に就いて

著者: 山口美年子

ページ範囲:P.715 - P.718

 大正12年,原田氏に依つて報告されて以来,所謂原田氏病に関する報告症例は百例を越えるが,私共は此の度,初期に球後視神経炎の像を呈し,その後定型的な原田氏病の経過を辿つた二例を相次いで経験したのでこゝに報告する。

瞼裂縮小内眼角贅皮を伴う眼瞼下垂手術に就て

著者: 登坂健二郞

ページ範囲:P.719 - P.720

 瞼裂縮小,内眼角贅皮を伴う眼瞼下垂手術に際してはその中何れを先に手術矯正すべきか,又如何なる術式によるべきか等の点で難しい手術の一つとされている。
 私は先に手術7巻12号(昭28)誌上に三国教授共著にて母子に現われた症例に於て内眼角贅皮に対してはKuhnt氏法を行い,眼瞼下垂に対してはHess-石原氏の方法にて手術して好成績の得られたこと及び従来文献を考察した結果から先ず隆鼻術を行つて低い鼻を高くすると同時に内眼角贅皮及び内眼角間距離の矯正をなし,次いで眼瞼下垂手術を行い,それで足らざる場合には瞼裂縮小に対する手術をするのがよいように思われると述べた。

いわゆる菅沼氏多発小結節性眼球結膜炎の1例

著者: 武本吉浩

ページ範囲:P.721 - P.725

 昭和13年7月12日第200回東京眼科集談会において,菅沼教授は「眼球結膜に多発する一種特異の結節について」と題する2症例を発表し,その詳細を日眼43巻に報告して,最後に,文献として余の検索し得た範囲内では,此の種疾患の記載を発見し得ず,よつて茲に之を報告して,今後の追加を期待し,本疾患の本態の闡明される時を待たんとするものであると述べておる。
 次いで同年9月青木教授は2例を報告し,昭和15年中島教授は本症の2例を報告,本疾患は,菅沼氏多発小結節性眼球結膜炎と名づくべきことを提唱して以来,その後田中,清家,早野氏等の発表がある。

高血圧患者の前眼部血管細隙燈所見(第2報)—年令及び脈圧と前眼部血管との関係について

著者: 竹内榮三郞 ,   井上八千代 ,   千種正輝

ページ範囲:P.727 - P.731

 私達は第1報において最高血圧を対照としてこれと前眼部血管との関係について論じ,更に前眼部血管における変化との眼底血管における変化とを比較検討した結果,高血圧群における良性高血圧症では前眼部血管に所見が多く,これに反して悪性高血圧症では眼底血管に所見が多い傾向がある事を報告した。その際前眼部血管の変化としては前毛様血管の変化と結膜血管の変化とを取上げ毛様血管については,毛様動脈の血管壁の平行性の障害されている程度を三段階に分ち,結膜血管については,結膜小静脈における静脈瘤,分岐部の三角形拡張等を同じく変化の強弱に従つて三段階に区分して表示した(第1報第1図及び第2図参照)。又眼底血管については樋渡助教授の分類に従つた(第1報参照)。
 今回は同じ被験材料を年令的に区分して,血管の諸変化と年令との関係を検討すると共に,又脈圧の高低との関係についても調べた。血管の検査方法等は前報におけると同様である。

銀海餘滴

健保問答 昭和29年4月16日 保険発第97号

ページ範囲:P.720 - P.720

 福島県照会
 問 左記注射及校査は認められるか。認められるとすれば何点か。
 (1)球後注射 (2)急性瀰蔓性網脈絡膜炎(原田氏病)色素性網膜炎及視神経萎縮に対するコーチゾン及びオバホルモンの球後注射 (3)眼底動脈血圧検査

臨床講義

転移性脈絡膜癌腫

著者: 梶浦睦雄 ,   高橋裕子

ページ範囲:P.733 - P.737

 眼内腫瘍によつて蒙る眼障害の度は,その腫瘍の悪性度に必ずしも一致しない。即ち組織学的に良性であつてもその増大によつて眼に重篤な障害を与え,眼内間隙の狭窄は続発緑内障を惹起するそれ故眼内腫瘍に就ては常に予後の不良を考えねばならぬが,之が体の重要な器官からであると一層その予後は悲観的なものである。
 萄葡膜の腫瘍の主なものはMelanoma malig-num及びRetinoblastomaであるが,転移性のものの中では癌腫が一番多い。然し元来は比較的稀しいものである。本日は之の症例に就て説明しよう。

私の経験

オーレオマイシン・テラマイシン点眼藥の臨床經驗

著者: 中泉行正

ページ範囲:P.738 - P.739

 オーレオマインン,テラマイシンは日常の眼科診療に於ては殆んど区別なく同様に使用されている。中には製造会社がちがうだけで同じものであると思つている人もある程である。
 実際両者の抗生スペクトルムを見ると殆んど同じでただスピロヘータに対して少しちがう位でスピロヘータにはTMの方がAMよりも効力が優れているかも知れない。日常我々が点眼藥として結膜の炎症に用いては両者は優劣ないと信ぜられ又殆んど区別を意識していない程である。

アクロマイシンの臨床小経験

著者: 中泉行正

ページ範囲:P.739 - P.739

 オーレオマイシンのレダリー会社より最近アクロマイシンが発売されたので,桐沢博士の御好意により其の内服用のカプセル入のものを分与されたので,主として結膜炎患者に試用してみたのでまだ短時日ではあるが,其結果を記させて頂きます。
 桐沢博士の日眼宿題報告によれば我々の所の患者の75%か80%が化学療法の対象となる眼疾患だそうで,大学病院はわづかに30か35%にすぎないそうで,我々の方が倍以上もの抗生物質を使用すべき患者があるので,この抗生物質の使用法は実に眼科医師の最も大切な事というべきである。そして抗生物質を使用すべき疾患の大部分は結膜の炎症及それに附随した疾患である。結膜炎症に対する抗生物質の使用法は一番大切な事と云うべきである。

談話室

アメリカ便り(第3信)—ワシントンにて

著者: 神鳥文雄

ページ範囲:P.740 - P.741

5°緑内障の手術療法に就て
 現在行われている対緑内障手術は次の6項に分類される。
1 虹彩切除術

鹿兒島茂先生の憶い出(其の2)

著者: 南熊太

ページ範囲:P.742 - P.743

 恩師鹿児島茂先生は,昭和28年8月10日御逝去になりました。先生の憶い出は誠に盡きぬものがありますが今回は先生の70歳古稀の祝の日の憶い出を書く事に致しましよう。実は此の記事の原稿は大体書き上げていたものが昭和28年6月の水害にて全然駄目になつたので別に保存していたメモ書きを基として書き改め写真は令息から更に送つて頂いたりしたものである。
 昭和28年2月より鹿児島先生門下生,熊本大学眼科学教室同窓生,熊本眼科集談会々員の有志の中の世話人により計画が進められ,主として,熊大須田経宇教授,国立熊本病院眼科部長緖方昇博士等の御盡力により準備も順調に進行し,昭和28年3月21日熊本市大江町九品寺597の先生のお宅にて古稀の祝が行われた。当日は上天気の春分の日,然も連休にて私は久留米から出掛けて行くのに列車もバスも何れもハイキング,ピクニツクの人等で超満員で何れも楽しそうであつた。車窓から櫻の花を見ながら大正15年3月の熊本医大予科に受験に来た時の事を想い出した。先生は大正15年1月に熊本医大教授として御着任になつていますので先生は教授として私は予科の生徒としてではありますが,同じ年に熊本に於ける生活が始つたのである……等と色々先生のことを想いながら熊本に着いた。

ロヂエ・ナタフ博士を岡山に迎えて

著者: 赤木五郞

ページ範囲:P.744 - P.746

 ナタフ博士が岡山に滞在されたのは3月25日より28日迄の4日間であつた。
25日:
 予め日本眼科学会からの通牒に依つて到着の当日は一日休養を取られる様計画され度いとの事であつたので駅長室に小憩の後直に宿舎観光ホテルに案内し休憩して載く事とした。

熊本でのDr.Nataf

著者: 須田經宇

ページ範囲:P.746 - P.749

 日本と仏蘭西とのトラコーマ研究の交流をはかるためにW.H.Oから派遣されたDr.Natafが山口医大大石教授と一緒に熊本へ着いたのは3月28日夜晩くだつた。同氏の熊本でのスケジユールは次の通りである。
 3月29日:熊本県庁を訪問し,トラコーマ集団治療視察。熊本大学長,同医学部長招待午餐会,その後医学部教授有志と懇談会。市内見物

基本情報

臨床眼科

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1308

印刷版ISSN 0370-5579

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