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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科8巻9号

1954年09月発行

文献概要

綜説

緑内障の治療法—Treatment of Glaucoma東京眼科講習会講演(29.6.13)

著者: 須田經宇1

所属機関: 1熊本大学

ページ範囲:P.897 - P.905

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 本日は原発性緑内障の治療法についてお話致します。続発性緑内障はやゝ複雑でありますから,後日に譲ります。
 一般に原発性緑内障の治療法は難かしいとされている。何故に難かしいか,その理由を先ず考えてみたいと思う。第一に挙げるべきは治療の時期である。一般にいかなる病気でも早期に治療を施す程よろしいのであるが,本疾患は殊に早期治療を望むべきものである。然るに本疾患の早期発見は甚だ困難であることは周知の事実である。従つて,治療の効果を上げるのに早期診断が欠くべからざる重要なものであることを先ず第一に申し上げておきます。次に考えるべきことは,如何なる疾患でもその原因をしつかり把握しなければ有効適切なる治療法は行い難いということであるが,遺憾ながら,原発性緑内障の原因は未だに解明されていない。従つてこれも本疾患の有効適切なる治療法が発見出来難い一つの原因である。更に又,治療の難かしい点は本症そのものの特徴にある。一般に疾患の治療は原因療法と対症療法とに分られ,原因療法が根本的,理想的治療法であるのは言うまでもないことであつて,例えば梅毒性,又は結核性疾患の場合に駆梅療法,又は抗結核療法が根治的の療法であり,多くはこれによつてその臓器が殆ど機能障碍を残さずに治癒するものである(病変,又は病気の進行程度にもよるが)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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