文献詳細
臨床実験
文献概要
涙液の分泌減少を伴う角膜及び結膜の慢性炎症に対しSjogren (1933)がKeratoconjunctivitissicca (以下KCSと略記)なる名称を与えて以来,欧米の文献には極めて多くの報告がなされ,統計的な観察も行われている程である。鹿野1)はこれら外国の文献を見るに,非常に多くの症例が少数の著者によつて報告されているのが目立ち,ために本症に対する関心が外国でもそれ程普遍化していないとも考えられるが,一方個々の1例報告では問題にならず,量的に統計的な報告をしなければ価値がない程一般化しているとも考えられ,恐らく後者のためであろうといつている。しかるに我が国では宮下2),岡島3),河合4),田坂5),前田6),佐古7)等の記載をみるにすぎない。最近私もその1例を見る機会を得たのでここに報告する。
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