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臨床実験
Stallard氏角膜鞏膜縫合術を行つた白内障手術成績
著者: 鴻忠義1
所属機関: 1千葉大学眼科教室
ページ範囲:P.943 - P.946
文献購入ページに移動 白内障手術に於て術中並びに術後の偶発症に対処する方法として1930年頃から角膜縫合術が行われる様になり殊に嚢内摘出術には夫々特徴のある各種の縫合法が行われている。抑々白内障手術の予後をトするものは術後の偶発症の有無であつて警戒されるものに化膿,虹彩毛様体炎,切開創癒着不良或は切開,硝子体脱出及び虹彩脱出等が挙げられるが,此等の偶発症の内各種のサルフア剤及び抗生剤等の化学療法の発達により化膿することは先ず絶無となり,又虹彩毛様体炎はコーチソンによつて一応制えることが出来る様になつたので,術後の偶発症として残るものは切開創の癒着不良或は切開,前房出血,硝子体脱出及び虹彩脱出であり,若し此等の偶発症を防ぐことが出来れば白内障手術の予後い極めて安全完壁であると言える。今日白内障手術に用いられている縫合術は大別すると結膜—結膜,角膜—結膜,角膜—角膜,角膜—鞏膜及び角膜—鞏膜—結膜縫合等が挙げられるが,これらはArruga, Stallard, Kalt及びWalker2)3)等の方法及びその変法であるが,其の使命から云つて効果的であり而も安全,簡易でなければならないが,その意味ではStallard1)の方法がその条件に適つていると思われる。
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