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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科8巻9号

1954年09月発行

文献概要

臨床実験

特發性葡萄膜炎に対するアイロタイシンの使用経驗

著者: 三國政吉1 池田正敏1 熊倉泰雄1

所属機関: 1新潟大学眼科教室

ページ範囲:P.953 - P.958

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 特発性葡萄膜炎とは非外傷性の重篤なる両眼性葡萄膜炎で,脈絡膜炎を主微とするものを原田氏病,虹彩毛様体炎の重篤なものがVogt-小柳氏病と呼ばれることは周知のところである。頭髪の白変及び脱落,皮膚の白斑,耳鳴及び難聴のうち1又は2以上を屡々合併する疾患で,前駆症状として悪心,嘔吐,発熱,頭痛,眩暈,脳脊髄液中淋巴球増加等があり,髄膜炎様症状の見られることから最近イタリーではUveomeningitic syndro-me (Rubino and Corazza 1947),Uveomeningi-tis syndrome (Pagliatrani 1947),アメリカではUveoencephalitis (Cowper 1951)の名称を提唱するものもあり,1眼外傷の既往の有無を除けば交感性眼炎と甚だ類似の臨床症歌を示すもので,病理組織学的にもその異同に就ては従来問題とされるところである等極めて興味多い疾患である。
 本症の原因は未だ不明で結核説,梅毒説,色素自家免疫性疾患説,アレルギー説,濾過性病原体説その他種女の説が挙げられているが,最近はビールス説が有力で,本症に抗生物質療法を施した報告も間々見られる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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