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銀海餘滴
ウェーキ島より
著者: 中村康
所属機関:
ページ範囲:P.962 - P.962
文献購入ページに移動 飛行機がウエーキ島で小休止をするので其の間にこのハガキを書きます。ウエーキ島につくと乘客は皆バスにのつて飛行場から食堂迄行つて朝飯をたべました。バスの運チヤンの云う事はチンプンカンプンで中々わからなかつたけれども,食堂ではよくわかつて立派に朝食がとれた処は第一歩として傑作でした。時に東京時間で朝4時でした(8月15日午後6時半羽田飛行場出発)飛行機の中では隣りに坐つたのが,ハワイの一世の60歳位の老人で,おかげで英語は一切廃止爽快な朝で少しの動揺も感じませんでした。ウエーキ島には日本の船でしよう海岸に沈められたのが1隻見えました。又高射砲のさびついたのが食堂のそばにありました。まだあまりなれないので食堂のまわりを離れません。ウエーキの時計を見たら朝7時でした。皆さんの昨夜のお見送り有難う。お礼が後になつてしまいました。それでは又ハワイに向つて出発致します。さよなら。
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