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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻10号

1955年10月発行

臨床実験

緑内障手術の遠隔成績—(2)術後長年月に亘りて使用に耐える視力を保持し得たる症例及びその小統計

著者: 藤野貞1 山口哲二1

所属機関: 1長大眼科

ページ範囲:P.1200 - P.1209

文献概要

 緑内障の予後は一般に甚だ悪いと言われている。事実あらゆる努力も空しく次第に視力を喪失することは我々のしばしば経験するところであり,文献を通覧してみても楽観論は到つて少なく,寧ろ予後は不良であると厳しく烙印を押しているものが少くない。
 悲観論として卑近な例を挙げれば,昨年本誌に発表された魵沢氏の論文がある。氏は単性緑内障は手術の施否に拘らず4年以後には殆ど失明すると述べている。これと類似の報告が内外に幾つか数えられるが,その二,三を挙げれば,Wygo-dskiは同じく単性緑内障104例に虹彩切除を行い,悪化又は失明88%,不変10%で,良好は僅か1%以下といい,Schurhoffは各種緑内障に虹彩切除を行い,Dauernd gute Wirkungは111例中2例,Mellerは毛様体剥離を行つてDauernd gutは42例中1例,と言うが如くである。以上は予後特に不良とされている単性型が主であり,鬱血型では左程でもないのであるが,斯様な記録を見ていると緑内障の予後は殆ど絶望の如くにも感じられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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