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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻12号

1955年12月発行

臨床実験

黄降汞軟膏による眼瞼皮膚炎の1例

著者: 山地美惠子1

所属機関: 1藤井寺眼科

ページ範囲:P.1386 - P.1388

文献概要

はじめに
 水銀製剤によつて眼瞼皮膚炎が惹起されることは,かなり以前から注目されており,黄降汞軟膏,オキシシアン水銀,昇汞等がその原因として報告されている。この中,黄降汞軟膏は眼科医にとつて最も関係の深いものであり,使用する頻度も亦大きなものである。然し,黄降汞軟膏によつて眼瞼皮膚炎を起した報告例は,斎藤氏の2例の他,田村,工藤,神沢,唐木,長又氏等の症例があるのみで,僅かに数例を出でない様である。この中,唐木氏の例を除き,凡て眼科医による黄降汞軟膏の点入によつて起つている。唐木氏の例は結膜炎に対して点眼用軟膏(オプト,黄降膏)使用後,眼瞼皮膚炎を起したものである。
 私は今回,眼瞼掻痒に対して,藥局の薦めによつて2%モチダ式黄降汞軟膏を自ら眼瞼皮膚に塗布した事によつて惹起された眼瞼皮膚炎の1例に遭遇したので茲に報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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