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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻12号

1955年12月発行

文献概要

臨床実験

眼科領域におけるハイドロコーチゾンHydrocortisone(Cortril)の臨床使用成績

著者: 池田一三1 宮沢稔1

所属機関: 1大阪市立大学医学部眼科

ページ範囲:P.1398 - P.1402

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 副腎皮質ホルモンの一種であるコーチゾンは,A.C.Woods等によつて始めて眼疾患の治療に用いられた後,数年を出ずして,わが眼科領域では日常臨床に不可欠の藥剤となつている。その理由としてはこのものの抗炎症作用が非常にすぐれていることは勿論,眼局所に用いて全身投与(内服,筋注)時に見られる副作用を避けうること及び局所的使用により極めて経済的であることが挙げられる。コーチゾンのリウマチ性疾患に対する卓効が発見された当時(1949年),今世紀前半における治療医学上の4大発見の1つとして,インシユリン,ズルフオンアミド,ペニシリンの発見と並び称せられたが,その後に示された本剤の臨床的応用効果の発展は,ますますその感を深からしめるものがある。
 このようにコーチゾンは誠に治療医学に一転機を画する藥剤であるが,なおその作用は完壁とはいえない。そこで少しでもより強力なホルモンへの探究が進められ,すでに幾種かの新らしい強力なステロイドが発見,創造され,そのうちあるもの(たとえばプレドニゾン,プレドニゾロン)はアメリカで実用化されようとしている1)。しかしこれに先がけて,すでにコーチゾンと共に知られており,その糖質コルチコイドとしての作用において勝るといわれるハイドロコーチゾンの普及も漸次見るべきものがあつて,わが国でも三井・山下2),筒井3),鴻4),倉知5),井後・松田6)等諸氏の報告がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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