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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻2号

1955年02月発行

文献概要

特集 第8回日本臨床眼科学会 原著〔シンポジウム〕--近視の成因

近視の成因に関する考察

著者: 小山綾夫1

所属機関: 1広島逓信病院

ページ範囲:P.146 - P.150

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 私の恩師畑教授は近視成因に関する諸説紛々とした状況を形容して汗牛充棟の語を用いられたが実態は正に斯の如くであつて而も尚未だ解決を見て居らない。私はその理山の第一に「近視」と云う一つの屈折状態に命名された謂わば一つの症候名とも見るべき名称があたかも一つの疾患名であるかの如き観念を与え,此の誤つた観念に支配された考察が進められて来た事実を考えたい。第二には近業との関係を論ずる場合,近業時に於ける眼機能,謂わば近業生理が正確に把握されて居らない事実を挙げなければならない。例えば,2Dの近視と4Dの近視が異る程に0.5Dの遠視と0.5Dの近視間には差はないかも知れないのに,後者の場合には両者が全く本質的に異つたものであるかの如き感覚を受けるし,又従来実際にその様に扱われて来た場合が多い。又一方,近業と近視の関係を論ずる為には近業時の眼機能が明確化されて居なければならないのに,最も重要な調節機能に於てさえ未だ尚機転の明らかにされて居らない点があるのではあるまいか。以下章を追つて此等の点を再検討し,私が昭和26年の日眼総会で述べた私見を敷衍し,誤謬を訂正し,以て再検討したいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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