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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻2号

1955年02月発行

文献概要

特集 第8回日本臨床眼科学会 原著〔一般講演〕

(3)流行性角結膜炎の組織学的所見

著者: 吉永幸子1

所属機関: 1日本医科大学眼科

ページ範囲:P.170 - P.176

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 流行性角結膜炎の結膜の組織学的所見に就ての報告は我が国に於ては高橋氏,菅沼氏,山本,有田両氏,宮下氏及び青木氏等により行はれている。それらの一致した所見は結膜固有層内の淋巴球及び組織球細胞の高度の浸潤,及び浸潤細胞の集団形成である。宮下氏,及び菅沼氏によると淋巴球を主とする細胞集団であり,内腔細胞を擁する定型的な濾胞の形成は認め難いと述べている。又青木氏は胚芽中枢を有する定型的リンパ濾胞の形成を認めている。又最近高地,堀両氏は結膜濾胞の研究に於いて流行性角結膜炎の小結節に就て結膜固有層組織内のリンペ球様細胞を主体とする細胞浸潤並に炎症性浮腫であり,浸潤の様相はあく迄も瀰蔓性でありリンパ濾胞の形成を認め得ないと述べている。
 私は流角結の発病初日より炎症の極期を経て次第に恢復に向う経過を組織学的に観察した。あはせて先に報告した病日による眼分泌物の所見との比較を目的として観察した結膜の組織学的所見につき其の大要を報告します。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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