文献詳細
特集 第8回日本臨床眼科学会
原著〔一般講演〕
文献概要
昭和15年小山氏1)はマリオツト氏盲点の研究中,強度の凹レンズ装用で盲点が外側え向つて拡張する事を見出し,是を調節性盲点(斑)拡大現象と名附けた。本現象は氏の見解では凹レンズ装用で視標を明視する際の過度の調節が原因であると云う。更に是を敷衍すると調節時に起る毛様筋收縮が脈絡膜を前方に牽引し,その力が視神経乳頭に及び,神経線維も牽引され,視細胞が圧迫せられ盲点の拡大が起ると云うのである。本現象を此の様に眼中膜の伸展に結びつけた氏の理論的根拠は,大略次の結果に依つている。
(1)20歳代の若年者で本来の屈折状態に更に−4D以上のレンズを装用し,1mの距離で固視標に調節しつゝ,盲点を測定すると外側に向つて拡張する。(2)高年令者では更に弱いレンズで本現象をみる。(3)ピロカルピン点眼の際は遠点が眼前25cmになると本現象が現われ,アトロピン点眼の際は凹レンズ装用でも本現象を証明しない。
(1)20歳代の若年者で本来の屈折状態に更に−4D以上のレンズを装用し,1mの距離で固視標に調節しつゝ,盲点を測定すると外側に向つて拡張する。(2)高年令者では更に弱いレンズで本現象をみる。(3)ピロカルピン点眼の際は遠点が眼前25cmになると本現象が現われ,アトロピン点眼の際は凹レンズ装用でも本現象を証明しない。
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