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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻2号

1955年02月発行

文献概要

特集 第8回日本臨床眼科学会 原著〔一般講演〕

(17)白内障摘出術後の隅角の所見について

著者: 今井晴一1

所属機関: 1京都府立医大眼科

ページ範囲:P.224 - P.228

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 白内障手術に於ける切開創の状態を観察することは,創の治癒に至るまでの経過,その間に於ける併発症の発生の機構並にそれに対する処置或は予防法について考察する上に,重要な手がかりとなるのであるが,この切開創の位置の関係からして,外面の創の状態は視診により観察出来るのに反し,内面の創の状態は通常の斜照法や細隙燈顕微鏡検査法によつては観察出来ない。従つてこの内面の創の状態は,従来人眼ではたまたま摘出し得た眼球についての所見によるの他は,主として動物実驗の成績によつて推定して来たのであつて,この種の研究はWeinstein以来最近のDu-nnington等のものに至るまで多数あつて(1)(2),その結果創の治癒経過は合併症のない場合もある場合も略々明となつて居る。しかしこれらの成績を生体眼について観察することは更に有意義と考えられる。この内面の創は前房隅角の近くに存する関係上内面の創の状態及びその隅角部に及ぼす影響は,隅角視診法によれば生体眼に於ても観察出来るのであつて,Sugar(3)(4)はこの方法の利用を推奨し,特に白内障手術後の無水晶体眼に起つた緑内障の眼の隅角について広汎な観察を行い,Kronfeld及びGrossmann(5)も同様の観察を行つて居るが,一般に白内障手術眼の隅角についての観察は,私の検索し得た範囲では最近のOes-terle(5)の報告以外には見当らないようである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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