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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻2号

1955年02月発行

文献概要

特集 第8回日本臨床眼科学会 原著〔一般講演〕

(24)後頭部よりの有茎皮瓣移植による造眉術

著者: 大熊篤二1

所属機関: 1横浜医大眼科

ページ範囲:P.247 - P.249

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 先天眉毛欠損或は外傷による瘢痕性眉毛脱失に対する造眉術としては,有毛皮瓣の移植が行われる。先天眉毛欠損及び瘢痕性眉毛脱失に於ても瘢痕が比較的軽微なものは,適当な部位から探つた遊離有毛皮瓣の移植が概ね成功する。瘢痕が強く深層に及び且つ周囲皮膚も瘢痕化しているような場合には,有茎皮瓣の移植を必要とする。この有茎皮瓣の採取には普通側頭部或は前頭部の有毛皮膚か,或は他側の眉毛の下半部が用いられる。併し火傷或は藥品腐蝕による睫毛脱失の際には,瘢痕が顔面頭部の広範囲に汎つて,上記の部位から有毛皮弁を採取することが不可能なことも稀ではない。このような場合に後頭部等の有毛皮弁採取可能の部位から,有茎的に眉部に皮弁移植を試みた。
 このように遠隔部から有茎皮瓣移植を行うには昨年の東京眼科講習会で述べたように管状皮瓣を作つて移植し得れば安全であるが,眉毛形成には余り幅広い皮瓣は必要でなく,且つ頭部から幅広い皮瓣を採取することは困難であり,又頭部皮膚は厚く,而も毛髪を保つ為には毛根を保護するように充分厚く皮下脂肪を付して皮瓣を採取する必要があるので,この幅狭い厚い皮瓣を管状にすることは不可能である。従つて皮瓣を管状とすることなく移植を試みた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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