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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻3号

1955年03月発行

文献概要

臨床実験

上眼瞼より遁出した有棘顎口虫

著者: 岡部浩洋1 桑野直信2

所属機関: 1久留米大学 2鯰田三菱鯰田礦業所病院眼科

ページ範囲:P.432 - P.435

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 終戦後九州特に筑後川下流三角洲地帯の風土病と化して来た有棘顎口症は鰰魚の分布と共に次第に拡がり,現在では福岡,佐賀,熊本県から多数の患者が報報告され,本州,四国からも症例が報ぜられている。我々は流行地の中心に居る関係上百例以上の患者を診ているが,未だ人体から虫体を得る事が出来なかつた。従来日本から報告された虫体観察例の内,日本内地で感染したと思われるものは森下(1924)の例と宮崎,牧野(1951)の2例であるが,前者は虫体が完全でなく宮崎等の例は兵庫県の1女性である。森下の同定した剛棘顎口虫は今日の知見からすれば疑しい点がある。(森下1951)宮崎の例は幼虫である為に種名の同定を行つていない。我々は九州に於て1患者の眼瞼から虫体を得,雄の形態を備えた幼若虫で有棘顎口虫と同定,日本で人体から得た第1例として報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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