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特集 眼科臨床の進歩Ⅲ 環境と眼
環境に支配される眼疾患の臨床
著者: 萩野鉚太郞1
所属機関: 1名古屋大学環境医学研究所
ページ範囲:P.662 - P.670
文献購入ページに移動本文に述べんとするところは,この様な全身病と眼病との交渉に就ての事項に限られたものではない。かつて橋田邦彦先生は,生体の全機性論を提唱した。即ち生体の機能は生体を構成している各個の器官が主体となつて営まれる活動であるところの全的協調として現われるもので,個々の機能が個々独立なものとして現われることはない。各個の器官は常に協調して全一態活動の一部として活動しているものである。そして個体は絶えず外界(環境)に適応せしめ,外界を自己の環境として転換せしめつゝ,常に環境の中心として全としての生活を営みつゝ,個としての自己を維持するのであると説いている。
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