icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻5号

1955年05月発行

文献概要

臨床実験

骨盤端位分娩時の臍帯の圧迫に因る角膜実質溷濁

著者: 小原博亨1 戸谷いさ2 須知仁2

所属機関: 1名古屋鉄道病院 2常滑須知眼科

ページ範囲:P.770 - P.771

文献購入ページに移動
 私共は鉗子分娩に因る角膜実質の溷濁の一例に遭遇して之は鉗子分娩に因る止むを得ざる眼障害であると患者の両親を納得させたが助産婦にとつては鉗子に因る眼障害と云う事は患家に対する自己の立場からも甚だ不満に思つて居たのかも知れないし,亦,疑問を持つに到つたのかも知れないが,其の後,間も無く前記助産婦により扱われた正規分娩(鉗子分娩で無の意)ではあるが角膜実質の溷濁有る例に遭遇して前記助産婦に因り正規分娩でも角膜実質溷濁が来るから前記角膜溷濁は鉗子に因るもので無いと暗々に主張された。私共は正規分娩でも斯る事が有り得ると説明したが,其の機転の解明に苦しんで居たが,第140回名古屋集談会で吉田義治教授は骨盤端位分娩の際には臍常の圧迫に因り特異の角膜溷濁が起り得る事を明かにされたが,私共の例も全く吉田教授の例に一致するのて今迄報告されて居る骨盤端位の鉗子を使用しない場合の眼障害に対するWeckerBockの場合と異る事を報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?