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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻5号

1955年05月発行

文献概要

臨床実験

ネオシネジンの眼局所応用に就いて

著者: 宮崎茂夫1 船本宏1 針谷嘉夫1

所属機関: 1慈大青砥分院眼科

ページ範囲:P.802 - P.803

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 吾々眼科医が眼底検査をする場合,特に老人の場合にもう少し瞳孔が大きければと痛感する場合が多々あるが,この目的には点眼して短時間で散瞳する事。散瞳が余り長期間に渉らぬ事,検査が済んだら速かに瞳孔が正常に戻り得る事,散瞳により眼圧の亢進を来さない事等の制約をうけるのである。従来この為にホマトロピン水点眼,或いはアドレナリン液の球結膜下注射が行われ,最近では教室の大木氏は3%アドポン水が散瞳作用を有する事を報告している。然しホマトロピン水点眼の場合,時に眼圧の亢進を見るので緑内障素因を有する人,特に老人には眼圧に注意して使用しなければならなかつた。アドレナリン液の球結膜下注射は散瞳と同時に眼圧を下げるので診断的散瞳の目的には好適なのであるが使用方法に難があり,一般の人に眼に注射等と云おうものなら拒否されてしまうのである。又アドポンは刺戟が強く結膜充血を来す欠点がある。かかる率のない即ち眼圧亢進,刺戟結膜充血を来さず,且つ散瞳作用が速やかに起り然も一過性であり,使用方法が簡単で患者に恐怖の念を起させぬ散瞳藥の出現が望ましいのである。最近興和化学より提供をうけたネオシネジン(以下N-Sと略記)を使用して見た所上記の目的を略其備すると思われるので,その使用成績を報告し,諸家の御批判を仰ぎたいと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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