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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻5号

1955年05月発行

臨床実験

硝子体内非磁性異物の摘出成功例に就いて

著者: 弓山真弓1

所属機関: 1岡大眼科

ページ範囲:P.809 - P.811

文献概要

 我々眼科医の切なる願い,それは現在殆んど拱手傍観を余儀なくされ,僅に対症療法のみによつて満足しなければならない状態の網膜,脈絡膜,硝子体疾患の一部に対して直接外科的侵襲を加え得ないものであらうかと云う事である。例えばこれから報告する眼内非磁性異物を始めとして増殖性網膜炎,硝子体動脈遺残,眼内腫瘍及び炎症等に直接且つ安全に外科的手術を加えらるならば,今迄隔靴掻痒の感を以つて治療し脾肉の歎をかこちつつ只空しく経過を観察して一喜一憂していた無能状態に対し,大きな希望の門戸を開く事となり,只に患者のみならず我々眼科医にとつても大きな福音をもたらすものと云うべきであろう。ここに於いて我々はたとえ一歩たりともこの夢の完成に近づきうるならば幸なりとの観点より眼球開壁術と銘うつ手術を追試し,改良研究を重ねつつある次第である。
 今日尚浅く本法の禁忌,適応,術式その他細部に亘る諸点については更に検討を要する点の多々ある事はいなめないのであるが,今後に期待される躍進えの一試金石となり得るならばと愚考し臨床実驗の機会ある毎に敢えて禿筆をかつて発表し諸氏の御批判,御追試を仰ぎたいと存ずる次第である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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