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臨床実験
緑内障眼に於ける前毛様動・静脈圧に関する研究—(第1報)正常眼の前毛様動・静脈圧に就いて
著者: 淸水貞男1
所属機関: 1日本医科大学眼科学教室
ページ範囲:P.970 - P.977
文献購入ページに移動 1923年Seidelが所謂Pelotten Methodeを用い,初めて人眼の前毛様動・静脈圧を測定して以来,現在に至る迄西洋に於ては数人の業績発表がありますが,吾が国に於ては最近漸く2,3の報告があったに過ぎず,然も従来はその研究の目的が主として葡萄膜の血液循環障碍にあったため,前毛様動脈圧の測定が主であり,兎角前毛様静脈圧の測定は軽んぜられていたのでありますが,1946年Thomassenが緑内障発病の機序に対し上鞏膜静脈圧の上昇が主要なる役割を果すと発表して以来,前毛様静脈圧の測定も漸く注目を俗びて来たのであります。然し乍ら緑内障の研究に当っては,単に前毛様動脈圧,前毛様静脈圧の何れか一方のみを測定するに止まらず,共に両者を測定することが,その解剖学的,生理学的見地よりすればより重要であると老えられるのであります。
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