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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻7号

1955年07月発行

文献概要

欧米旅行記

欧米に於ける病院と医藥分業

著者: 中村康1

所属機関: 1日本医大

ページ範囲:P.1026 - P.1029

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 欧米殊に米国の病院を見るとホテルが大きいのと等しく病院も大きくそして奇麗であります。其建てられている位置が景勝の地を占めているのであります。400床の病院などと言うのは小さい方で3,000床,4,000床などと言うのがザラにあります。そして設備万端至れり盡くせりであります。従つて其経営も医師の院長では何ともならぬのでありましょう。これでは専門の院長が必要となりましょう。日本の20床や100床で事務院長を置いたら人件費で病院がなりたゝなくなつてしまうなどと言うのとは桁が違うのであります。彼等は病院に対する考え方がホテルの延長だとしているのであります。此処に勤めている医師はベルボーイであります。悪く言えば其の病院と関係をもつた医師はホテルの客引きであります。一つの病院に沢山の有名な医師が客引きとして関係をもち診察しては人院を要するような病人は直ぐ自分の関係の病院へ送り込む。そして其医師は患者の入院中其患者と関連をもち治療をするのであります。普通の客引きであれば,客をホテルに紹介すると関係が断たれますが医師の客引きは其後の治療と言う特種な技術によつで関系が保たれるわけであります。そして其治療に対する相当の報酬を紹介した医師は受けるのであります。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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