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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻8号

1955年08月発行

文献概要

綜説

眼鏡と眼精疲労—東京眼科講習会講演(30.6.5.)

著者: 大塚任1

所属機関: 1東京医科歯科大学

ページ範囲:P.1045 - P.1056

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Ⅰ.眼鏡の起源
 眼鏡の起源は,はつきりわかつていない。眼鏡が使用された最初の信頼すべき記録は,MarcoPoloが1270年に支那のKublai Khanの法廷を訪ねた時,老人が判決書を読むため凸レンズを用いたというMarco Poloの手記がある。西洋でこの考を実現したのは,1266年にガラス球の一部をその平面側を下にして紙の上に置き,字を拡大する方法を述べたフランシス派の修道僧RogerBaconであるという。そして眼鏡はFlorenceのドミニクス教国のSalvino D'Armatoが多分1285年頃発明否恐らくは模倣したものであろうといわれている。フロレンス人の歴史家DomenicoManniの書く所によれば,彼の基の上には,「ここに眼鏡の発明者,アマテイ人Salvino眠る。神よ彼の罪を許し給え1317年」と書いてあったという。
 最初用いられた眼鏡は凸レンズで,14世紀に流行した。近視眼に凹レンズが用いられたのは16世紀の初期で,1517〜1519の間,Raphaeelの描いたローマ法皇Leo Xの肖像はこれをつけて描いてある。近視及びその光学的矯正については,Kepler (1611)の説明がある。Greenwich天文台のAiryは,1827年に乱視を矯正するため,円柱レンズを設計した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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