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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻8号

1955年08月発行

文献概要

臨床実験

Dacryocystorhinostomyに関する研究—其の一 慢性涙曩炎に対するDacryocystorhinostomyの効果について

著者: 上岡輝方1 伊藤尚子1 久冨潮1 斎藤寛2

所属機関: 1秦野日赤病院眼科 2秦野日赤病院耳鼻科

ページ範囲:P.1067 - P.1073

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Ⅰ.緒言
 慢性涙嚢炎に対する手術的療法には涙嚢摘出術,レヂンチユーブ法並にToti氏の涙嚢,鼻腔連絡法があるが,従来我が国では主として涙嚢摘出術,並に最近では市川氏のレヂンチユーブ法が行われ,Toti氏の手術は殆んど行われていなかつた。涙嚢摘出術は病巣の摘出と言う点では極めて効果確実ではあるが,導涙機転の一重要部分を摘出するために術後必ずと云つてもよい頑固なる流涙に悩まされるのが常であり,又市川氏のレヂンチユーブ法は操作簡単で極めて確実なる効果を発揮するが,私共の例では勿論やり方に難点があるのかも知れないけれども2〜3ヵ月で肉芽増殖のために閉鎖されて再発するのが大部分であつた。
 私共が茲に述べんとする所謂Toti氏のDac-ryocystorhinostomyは涙嚢を保存し,閉鎖せる涙道を別の箇所に設け,導涙機転を復旧し,涙嚢炎を治癒せしめんとする方法であるが,この方法の歴史は相当に古く,現在に至るまでにすでに幾多の改良が加えられ,今日では欧米諸国では広く実施せられて此処数年間の文献上にも極めて数多くの報告が見られ,且一致して高度の治癒率が認められている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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