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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科9巻8号

1955年08月発行

日本トラホーム予防協会会誌

アクロマイシン(Tetracycline)の眼科的応用に関する二,三の基礎実験と之によるトラコーマの治療成績

著者: 筒井純1 竹田静香2

所属機関: 1岡山大学医学部金光分院眼科 2岡山日生病院

ページ範囲:P.1107 - P.1111

文献概要

 Achromycin (化学名Tetracycline以下AC.)はAureomycin (Chlortetracyclin),Terramycin(Oxytetracycline)と同系の抗生物質であつてChlortetracyclineより水素の存在下にPalladiumを触媒として1分子の塩素をaromatic ringよりとり除く化学的処理によつて作られた物質である1)。従つて此の母体はAureomycinであって性質も非常に類似しているが,次の点で更に進歩したものとされている。安定度はChlortetracy-cline<Oxytetracycline<Tetracyclineの順で例えば5℃に於てはChlortetracyclineは24〜48時間,Oxytetracyclineは7日で力価の低下が始まるが,Tetracyclineは3週間は安定を保つていると云われる2)。血中に於ける消長も他の二者よりは安定に長い時間保たれ然もその全身に対する毒力又は副作用は最も勘ない2)3)
 抗菌スペクトルは前二者と略々同様とする。従って本物質の使用は眼科領域に於てもかなりの発展性が老えられるので私共は主として結膜疾患に対する眼科的投与法の2,3の基礎的問題に対し実験的研究を行い,更に臨床的に主としてTra-chomaの治療に本剤を使用してその価値を評価した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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