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文献詳細

雑誌文献

生体の科学1巻2号

1949年08月発行

文献概要

研究報告

小麥藁の有効成分に就て—第1報

著者: 柴田勝博1 酒井一喜1

所属機関: 1前橋醫科大學藥理學教室

ページ範囲:P.101 - P.104

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 まへがき
 周知の如く數年來蛔蟲は都市農村を通じて全國的に蔓延して居るが,國民の保健上誠に寒心に耐えない次第である。之が驅除藥としては從來專らサントニン及び海人草が用ひられて居たのであるが,今日では何れも入手がなかなか困難である。終戰後我國に輸入せられ一躍斯界の寵兒となつたヘキシールレゾルシノールは頗る有効であるがかなり強い副作用があるので理想的なものとは云へない。殊に小兒にはその應用は困難である。凡そ驅蟲藥としては原料が豊富にあること及び副作用のない事が重要な條件である。今日我國に於て此の二つの條件を滿足させるものを求めるならば第一に小麥藁(以下單に麥藁と記す)を擧げる事が出來る。
 麥藁は既に漢方で用ひて居り,又我國に於ても以前から民間藥として用ひて居た地方もあつた様であるが,齋藤氏(1)の報告以來特に注目を惹き其後服部(2)小島(3)三浦(4)等の諸氏も有効である事を報告して居る。我々も約2000名の小學兒童に就て試みた結果上記諸氏と略同樣の成績を得た。申す迄もなく麥藁は全國到る處に豊富にあつて容易に入手し得ると共に,副作用の少いことは凡ての報告者の一致する所である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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