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文献詳細

雑誌文献

生体の科学1巻2号

1949年08月発行

文献概要

研究報告

血壓調節神經に於ける活動電流

著者: 佐藤昌康1

所属機関: 1東大立地自然科學研究所同醫學部生理學教室

ページ範囲:P.104 - P.107

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 Ⅰ
 1866年Ludwig u.Cyonは兎の心臟及び大動脉からの求心性繊維が迷走神經の枝に含まれ,この中樞端を刺激すると心臟搏動數の減少及び血壓降下を起すことを發見した。此れが減壓神經(大動脉神經)である。此の神經は大動脉弓より發して兎では頸部の迷走神經と交感神經の間を走つて,上喉頭神經と迷走神經の分岐部に入り,延髓に至る。他の哺乳動物では迷走神經中に含まれて獨立した神經を成してゐない。一方,内頸動脉の起始部に頸動脉洞といふ擴りがおこることは解剖學者により古くから記載されてゐたが,此の機能に就いてはE.H.Heringが1924年,減壓神經と同じく血壓反射をなす頸洞脉洞神經の起始部であることを報告するまでは全く不明であつた。
 此等の神經の中樞端を刺激すると,(ⅰ)心臟搏動數の減少及び血壓降下,(ⅱ)血管收縮中樞の制止及び同時に内臓血管の擴張,(ⅲ)血管擴張,中樞の活動の促進,從つて皮膚,唾液腺,骨骼筋の血管擴張を來す。即ち此等の神經は大動脉弓及び頸動脉洞の血壓上昇により刺激せられて,血壓の降下を來す如き反射の求心性經路をなすので,血壓調節神經(Blutdruckzügler)又は血壓受容神經(pressoreceptor nerve)と總稱せられてゐる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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