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文献詳細

雑誌文献

生体の科学1巻3号

1949年10月発行

文献概要

研究報告

膠原纎維と銀纎維—(附)鷄卵白による人工的纖維生成實驗

著者: 新井恒人1

所属機関: 1和歌山醫大病理學教室

ページ範囲:P.143 - P.146

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 Ⅰ はしがき
 一般に結合組織は,生體の組織及び器官を結合するばかりでなく,之等を支持し,且一定の形態を保たせ,若しくは榮養供給の媒介等,形態學的にも亦機能的にも,從つて或る程度生體の内的條件を左右するとも考へられる,體質乃至素質とも密接な關係があり,生體の維持に極めて重要な役割を營む。加うるに炎症或は腫瘍等,廣く疾病に於ける結合組織乃至其の纎維の關與する意義は,誠に重大と云わねばならない。斯かる見地から,纎維の中特に膠原繊維と銀纎維とに就て,其の相互關係及び生成を考察し,併せて筆者が得た研究成績を述べようと思う。
 生體の組織及び臟器は細胞と細胞間質からなり,細胞間質の中に纎維と基質とが含まれる。尚基質は不明瞭なもので,纎維を包含する無定形の均等な物質であるとか,又は層状に重り合つた透明な薄い膜樣物であるとか稱するが,單純な組織液とは異り,蛋白質を多量に含むゾルであつて,局所的特異性を有する如くである。結合組織の纎維は膠原纎維,銀纎維(細綱纎維,格子状纎維),彈性纎維等に分たれるが,此の中彈性纎維は論ぜず,前二者に就て述べる事とする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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