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文献詳細

雑誌文献

生体の科学1巻3号

1949年10月発行

研究報告

人小腸液酵素作用の研究

著者: 森益太1

所属機関: 1京大醫學部醫化學教室

ページ範囲:P.152 - P.155

文献概要

 1.人小腸液のProtease作用
 私は昭和21年12月一患者空腸上部に曠置せられた長さ約10Cmの小腸瘻を有する15歳男子に遭遇した。この例はThiry-vella瘻に相當すべきものであつたので私は昭和22年2月初旬より同5月迄この症例の小腸液及小腸粘膜消化酵素の實驗研究に從事した。先づ新鮮なる腸液のProteolytic enzymes(Proteinase,Peptidase,Dipeptidase,Acylase)並Carbohydrose(Amylase,Meltase,Saccharase)について研究し,次で同年4月同瘻を手術的に除去(患者は全治す)せる際に同瘻の粘膜潰浸液(Mazeration)を作成し粘膜の酵素學的試驗を行つて,腸液酵素の成績とを比較致した。實驗期間中は腸瘻の周圍に化膿竈を見ることなく水樣無色透明の小腸液が毎日10-20cc採取された。その一部をデシケーター中で減壓乾燥して貯藏することが出來たので,同年5月この乾燥腸液のEsteraseに關する實驗を追加施行した。
 Cohnhein(1902)は猫腸Erepsinはその基質として各種Pepton,Trypton,Protamine,Histon,Casein,Clupein,albumose等を分解するが他の眞正蛋白を分解しないと述べている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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