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文献詳細

雑誌文献

生体の科学1巻3号

1949年10月発行

研究報告

ツベルクリン過敏症に於ける靑山氏のヌクレイネミア學説に關係する豚のプリン體代謝樣式に就いて

著者: 大野乾1

所属機関: 1東京農工大學獸醫學科・生物化學川村教室

ページ範囲:P.158 - P.160

文献概要

 緒論
 Landsteinerのハプテン免疫説が學界を賑はした1820年代にハイデベルヒのモロウ・クラア兩氏が,結核未感染幼兒にツベルクリンと豚血清とを協同接種した所,ツ陽性反應を得たと云ふ甚だ興味ある結果を發表した,近年靑山氏は此の報告の檢討からツ反應の本態が感染側體の病的ヌクレイネミア(核蛋白血症)にありとの見解を行ひツ過敏症をハプテン免疫説を以つて巧妙に説明したのである。氏の此の見解の基礎は豚のみは生理的にヌクレイネミアの状態即ち血清中に核蛋白を移行して居る状態にあると云ふ事實の發見でモロウ・ケラア兩氏の古い業蹟の謎を解明した所にある。從つてツ過敏症に關するヌクレイネミア學説を檢討せんとする醫學者諸兄にとつて,著者の行つた豚のプリン體代謝樣式の特異性に關する實驗が多少の參考になればと考へて以下の報告をなす次第である。哺乳類のプリン體代謝樣式については從來から面白い問題が多いのであつて,人類では尿酸がプリン體代謝の最終産物とされて居るが一般哺乳類では肝に存するウリカーゼが之をアラントインに迄分解し之が最終産物と見做されて居るのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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