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文献詳細

雑誌文献

生体の科学1巻3号

1949年10月発行

文献概要

研究報告

親媒現象から見た動物膜の透過

著者: 山本淸1

所属機関: 1東京慈恵會醫科大學生理學教室・浦本研究所

ページ範囲:P.164 - P.166

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 1.
 Freundlichは,水溶液に關して,Van't Hoffの理論に從う現象を滲透壓現象osmotic phenomena,親媒順列又はHofmeister順列の關與する現象を親媒現象liotropic phenomenaと呼んで區別した1)親媒順列は,colloid系の解膠,凝固,鹽析,吸着,膨潤等諸種の物理化學的性質に關する,ionの特性の差に基く順列であつて,2)その順列は水分子,ion,colloidの相互の吸着の差から説明されるような現象である。
 とにかく,水溶液中に於て,ionは滲透壓的に作用すると同時に,親媒的効果を示すものであるから,動物膜の水透過を問題にする際にも溶液のこれら2方面の性質が考慮されねばならぬ。動物膜を構成する主體はcolloidであり,そのcolloid膜を通して水が透過する場合,水分子及びionが膜物質に吸着することによつて水の透過が影響されることは充分豫期されるのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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