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研究報告
感染論より見た生體の反應
著者: 西岡久壽彌1
所属機関: 1傳染病研究所第五研究部
ページ範囲:P.253 - P.257
文献購入ページに移動 緒言
チフス性疾患や炭疽病等の感染防禦機轉(1)細菌性アレルギーの成立(2)の原因を追求して行くと,從來の免疫學の主題をなしていた流血中の抗體だけでもつて生體の反應を説明して行くことは不可能であり,この面に於て現在の免疫學は大きな飛躍をなさねばならない状態に置かれているのではなからうか。
抗原抗體反應を追求して,宿主と寄生體との關係を鮮かに描き出した血清學は,廣義の感染論の中に含まれて,物理學,化學の方法論を幾多の優秀な先覺者によつて鮮かに導入し補強せられた分野である(3)。現在に於ては,抗原抗體反應の本態をつく問題は物理學者,化學者の手に委ねられていると云つてよいであろう(4)。そしてこの段階にあつて生物學者に與えられている課題はどのような問題であろうか。
チフス性疾患や炭疽病等の感染防禦機轉(1)細菌性アレルギーの成立(2)の原因を追求して行くと,從來の免疫學の主題をなしていた流血中の抗體だけでもつて生體の反應を説明して行くことは不可能であり,この面に於て現在の免疫學は大きな飛躍をなさねばならない状態に置かれているのではなからうか。
抗原抗體反應を追求して,宿主と寄生體との關係を鮮かに描き出した血清學は,廣義の感染論の中に含まれて,物理學,化學の方法論を幾多の優秀な先覺者によつて鮮かに導入し補強せられた分野である(3)。現在に於ては,抗原抗體反應の本態をつく問題は物理學者,化學者の手に委ねられていると云つてよいであろう(4)。そしてこの段階にあつて生物學者に與えられている課題はどのような問題であろうか。
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