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速報
私の考案したレコーディングレバー
著者: 岩本守弘1
所属機関: 1日大醫學部生理學教室
ページ範囲:P.260 - P.260
文献購入ページに移動 私どもの教室では主としてガマの心臓の靜脈洞について研究しているが,それはリズムをもつ小さな運動である。殊に靜脈洞條片の運動は微少であつて,從來最も都合が良いといはれている郷原式レバーでも辛うじて描記することができる程度である。又別に光レバーもあるけれども,これは寫眞撮影に時間と費用がかゝり,また直ちにその場で記録を見ることができない難點がある。私は先にロツセル鹽の壓電効果を應用する方法を考案してほゞ目的を達したが,これもとても光レバーと同樣に寫眞にとる要があり,且増幅器の特性に難點があつた。そこで私は從來のレバーの改良を考えた。從來のレバーは多少の差こそあれ摩擦が伴うことに氣がつき,これをとり除く工夫をして,新しいものを作り出した。
私の考案したレバーは簡單なものである。それは電磁オッシログラフの振動子(バイブレーター)に使うストリップ(48〜50番線)のねぢれを應用したものである。このレバーの構造は第1圖に示すように,コの字形の金屬のワク(幅約3 cm)の兩端にストリップを適當な張力を加えながら半田で固定し,その中央に長さ30〜32cm太さ0.3〜0.8mmのガラス毛細管をセメダインCでつけたものである。この毛細管の一端に運動體例えば心臓靜脈洞の條片を吊り下げ,他の一端で煤紙にその運動を描記するものである。
私の考案したレバーは簡單なものである。それは電磁オッシログラフの振動子(バイブレーター)に使うストリップ(48〜50番線)のねぢれを應用したものである。このレバーの構造は第1圖に示すように,コの字形の金屬のワク(幅約3 cm)の兩端にストリップを適當な張力を加えながら半田で固定し,その中央に長さ30〜32cm太さ0.3〜0.8mmのガラス毛細管をセメダインCでつけたものである。この毛細管の一端に運動體例えば心臓靜脈洞の條片を吊り下げ,他の一端で煤紙にその運動を描記するものである。
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