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論述
人體温の周期性並に體温と體質との關係について(第1報)
著者: 崎野滋樹12
所属機関: 1東東京大学医学部小兒科学教室 2京文部省統計数理研究所
ページ範囲:P.265 - P.269
文献購入ページに移動 1.人體温の周期的動搖に就いて
温血動物即鳥類哺乳類及人類の体温は体内に於ける熱発生と周囲に向つての熱放散との関係によつて成生するもので健常状態に於いては生体内の体温調節作用によつて此両要素は平衡を保つて,体温は略々一定に保持せられる.然れども精密に一日の体温経過を観察すると体温は常に一定に止まるものではなく不断の動搖を示し,殊に人体温が稍々一定した周期的動搖を示すことは既に多くの学者によつて認められている.
が併し此の周期的動搖の原因に関しては從來種々に解釋せられる.要するに未だ一定の説なく学者によつて意見はまちまちである.更に体温以外に健常状態なる限り,意識活動に於ける覚醍,睡眠の交代,循環運動,呼吸運動,消化器,泌尿器の作用等が規則正しい周期を持つていることも今日の常識である.2以下に於いて体温曲線が2週間前後の一定周期を持つた波動現象を呈することを檢討しよう。
温血動物即鳥類哺乳類及人類の体温は体内に於ける熱発生と周囲に向つての熱放散との関係によつて成生するもので健常状態に於いては生体内の体温調節作用によつて此両要素は平衡を保つて,体温は略々一定に保持せられる.然れども精密に一日の体温経過を観察すると体温は常に一定に止まるものではなく不断の動搖を示し,殊に人体温が稍々一定した周期的動搖を示すことは既に多くの学者によつて認められている.
が併し此の周期的動搖の原因に関しては從來種々に解釋せられる.要するに未だ一定の説なく学者によつて意見はまちまちである.更に体温以外に健常状態なる限り,意識活動に於ける覚醍,睡眠の交代,循環運動,呼吸運動,消化器,泌尿器の作用等が規則正しい周期を持つていることも今日の常識である.2以下に於いて体温曲線が2週間前後の一定周期を持つた波動現象を呈することを檢討しよう。
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