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1958年度ノーベル化学賞受賞者 Dr. Frederic Sangerの業績
著者: 成田耕造
所属機関:
ページ範囲:P.51 - P.51
文献購入ページに移動1-Fluoro-2,4-dinitrobenzeneを微アルカリ性でタンパク質に室温で作用させると,DNP基が遊離のアミノ基に導入される。DNP墓は酸加水分解では切断されないので,タンパク質のアミノ末端のアミノ酸はDNP誘導体として分離確認しうる。Sangerはインスリンのアミノ末端はそれぞれ1モルのグリンとフエニルフラニンであることを示した。従つてインスリン分子中には2本のポリペプチド鎖が存在し,互にシスチンのS-S結合で結合していることが推定される。Sangerはこの結合を過ぎ酸で酸化切断して2本のペプチド,A鎖およびB鎖を分別単離することに成功した。
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