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文献詳細

雑誌文献

生体の科学10巻2号

1959年04月発行

文献概要

論述

Dendritic potentialについて

著者: 鈴木寿夫1

所属機関: 1東北大医学部生理学教室

ページ範囲:P.62 - P.72

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 大脳皮質の各層には短い軸索を持つた神経細胞(第1図d,e,f)と長い軸索を持つた錐体細胞及び紡錐細胞(第1図c)が無数に存在する。後2者の細胞には軸索の外に皮質内を表層に向かつて上行するapical dendriteと呼ばれる無髄の神経突起が存在する。これらの或るものは皮質第1層迄達しそこで枝分れして終り,又或るものは第1層まで達せずに途中で終つている39)。このapical dendriteの占める容積は皮質内神経要素全体の1/3にも達すると言われている12)。又皮質内には2種類の求心線維がある。第1は特殊求心性線維と呼ばれるもので,これは第4層で細かい無数の枝となり主として第4層に限局した線維叢を作るがその一部は第3層にも行く。第2はそれ以外の非特殊求心性線維であり,これには視床に由来して第1層迄達する線維及び第1から第4層迄広く分布する連合線維と総合線維が含まれる39)。求心線維の終末或は皮質内神経細胞の軸索の終末は他の神経要素とシナプスを作つているが,これにはaxo-dendritic即ちdendriteとシナプスを作るものとaxo-somatic即ち神経細胞体とシナプスを作つているものがあると言われる15)
 以上の様な大脳皮質構造はそれが単に形態学的に調べられたものであるから,これらの構造と機能的なものを結びつけるには他の手段を選ばなければならない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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