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湿度計による発汗の連続記録
著者: 中山昭雄1 高木健太郎1
所属機関: 1名古屋大学医学部第一生理学教室
ページ範囲:P.89 - P.91
文献購入ページに移動 局所の発汗を連続的且つ定量的に測定しようとする試みは古くから行われているが,その大部分が毛髪湿度計を利用したもので,毛髪湿度計は数%或はそれ以上の誤差があり,その上反応の時間的おくれも大きいので,何れも満足な結果を得ることが出来なかつた。久野2)は身体各部の汗量の絶対値には非常に差があるけれども,発汗発現の時期とその後の汗量の増減の方向は全身において同一であることを確め,局所の発汗を測定することによつて全身の発汗の様相を推察した。用いられた方法は一定皮膚面に乾燥空気を送つてその部の汗をすべて気化し,この気流を一定時間だけ塩化カルシウムをつめたU字管を通し,このU字管の重量増加分から吸収された水分量,すなわち一定時間中の皮膚放散水分量を知るという原理に従つている。この方法によれば5分毎(発汗量が多ければもつと短時間でもよい)の汗量は正確に得られるが,短時間内に起つている発汗の微細な変化を知ることが出来ない。乾燥した濾紙に汗を吸着させる方法ははるかに誤差が大きい。澱粉紙をヨードを塗布した皮膚面に密着させ,汗の水分によつておこるヨード澱粉反応から活動汗腺の数を数える方法がある3)。この方法は定量的な測定には不向きであるが,個々の汗腺の活動の時間的な変化を知るには便利であり,これによつて新しい事実も見出されている。
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