論述
内臓平滑筋における興奮の筋・筋伝播とその過程を示すIntercellular Junction Potential
著者:
後藤昌義1
鳥越賚夫1
東郷実幸1
所属機関:
1鹿児島大学医学部第二生理
ページ範囲:P.136 - P.145
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温血動物の内臓平滑筋における興奮伝播に関する最近の研究は平滑筋細胞が少なくとも機能的には1種のsyncytiumとして働いており,神経組織を介しての興奮伝播の可能性は極めて少ないことを支持している(Bozler 1938 a, b, 1941,1948;Bülbring 1955, 1956;Greven 1955;Prosser, Smith & Melton 1955;Woodbury & Goto 1959)。他方,細胞内電極による平滑筋の電気現象に関する研究は内臓平滑筋の活動電位がある特殊な局所電位と伝播性のスパイク放電との2つの要素からなることを明らかにした(Bülbring, Burnstock & Holman 1958;Goto & Woodbury 1958;Woodbury & Goto 1959)。さらにまたその局所電位はephaptic potentialあるいはsynaptic potentialと性質が酷似しており,平滑筋細胞間の興奮伝達の中間過程を示す電気現象であると推定されている(Goto & Woodbury 1958;Woodbury & Goto 1959)。