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文献詳細

雑誌文献

生体の科学10巻4号

1959年08月発行

文献概要

論述

神経線維と神経模型

著者: 松本政雄1 若林秀一1 森川襄治1

所属機関: 1群馬大学医学部第一生理学教室

ページ範囲:P.188 - P.194

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 神経乃至神経線維の機能は興奮伝導であり,この機能が如何様にして行われるか,この問題の解明に対してはらわれた生理学者の努力は誠に計り知ることは出来ないであろう。併し今日に至つても充分明らかにされたとは云えない。神経模型は神経の興奮伝導に類似の現象を現すものとしてLillie15)によつて始めて作られたものであるが,その後種々の人々によつて色々の型の模型が作られるに至つた1)33)。余等は多年此の種の模型に就いて,それが現す現象の性質に就いて研究し,神経線維によつて示される殆んど総ての現象は此の模型に於ても現れることを知り,進んでこの模型に於て先ず知り得た現象が次いで神経線維に於ても発見されたものも二,三に止まらない状態となつた25)29)。此処に於て余等は,本論文に於て神経線維に関する各種の現象と模型に於けるそれに対応する現象の比較を試み,それに依つて神経線維に於ける未知の現象の発見乃至は現象のよつておこる機序の鮮明のための資料を提供せんと企てたものである。
 尚神経線維と神経模型に就いて種々の比較を行うに際しては,神経線維としてはその種類は別に問題ではないが,特にことわりない限り有髄神経線維を対象とし,神経模型としては鉄線を硝酸中に浸した山極—Lillieの神経模型を用いた(第1図)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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