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いわゆる高エネルギー燐酸結合に関する量子化学的考察は種々の立場からなされている1)2)3)が定量的に満足すべき結果を与えていない様に思われる。大木4)はdπ-pπ結合の寄与を提唱したが定性的な考察にとどまつている。燐酸結合の電子状態は生理学的に重要な意義をもつものと思われるから定量的計算の行われることが望ましい。本報文はこの点についての若干の考察を試みたものである。燐酸結合を,一個の酸素原子から一対の電子対が供給されPO2Hなる仮想原子との間に作られるdπ-pπ共軛系と考え5)6),下の準位をπ電子系として扱い最高被占準位に対してdπ-pπ系の特殊性を考慮する近似を試みた。
従来の計算では総ての準位を通常のπ電子系として扱つている3)5)が,それによつて高エネルギー性は得られないので静電エネルギーの寄与であるとしている。筆者もこの立場から種々のパラメーター値に対して検討を加えた。得られた結果は次の様になる。
従来の計算では総ての準位を通常のπ電子系として扱つている3)5)が,それによつて高エネルギー性は得られないので静電エネルギーの寄与であるとしている。筆者もこの立場から種々のパラメーター値に対して検討を加えた。得られた結果は次の様になる。
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