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附記
著者: 真島英信1
所属機関: 1順天堂大学第二生理学教室
ページ範囲:P.47 - P.47
文献購入ページに移動 人間の眼についての光学的考察という伊藤礼子氏の論文(第1報本誌:9巻43頁,第2報9巻291頁:第3報10巻39頁,第4報10巻94頁)に対して大島祐之氏が種々批判され(10巻96頁),それに対して再び伊藤氏が答えるというような形で誌上討論が行われたのであるが,中島章君の第三者的立場からの助言などもあつて編集者としては一応有意義な討論を交わすことが出来たと思つている。何よりも伊藤氏の,簡単な実験から鋭い洞察を進め,更にそれを確かめる実験を繰返していく態度に敬意を表したい。
一般的に云つて,中島君も指摘されているように,大抵の現象は昔の人が観察してしまつていて,なかなか新発見はないということは事実である。新らしい方法でみるなら兎も角,簡単に出来るような方法では無理であるということは私も認めざるを得ない。しかし同時に学問は進歩しており,人々の考え方は昔と変つてきているから,同じ方法を使つても観察のポイントが違つているため新らしい解釈や学説の基礎となるような興味のある発見をすることがある。私自身こういう経験はかなりある。簡単な装置による大まかな観察というものは特に生物現象の場合,その背後に測り知れぬ程の複雑なメカニズムを秘めているために,解釈には幾つも可能性がある。
一般的に云つて,中島君も指摘されているように,大抵の現象は昔の人が観察してしまつていて,なかなか新発見はないということは事実である。新らしい方法でみるなら兎も角,簡単に出来るような方法では無理であるということは私も認めざるを得ない。しかし同時に学問は進歩しており,人々の考え方は昔と変つてきているから,同じ方法を使つても観察のポイントが違つているため新らしい解釈や学説の基礎となるような興味のある発見をすることがある。私自身こういう経験はかなりある。簡単な装置による大まかな観察というものは特に生物現象の場合,その背後に測り知れぬ程の複雑なメカニズムを秘めているために,解釈には幾つも可能性がある。
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