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文献詳細

雑誌文献

生体の科学11巻2号

1960年04月発行

論述

Catecholaminesの化学的定量法

著者: 島本暉朗1 樋口秀雄1

所属機関: 1京都大学医学部薬理学教室

ページ範囲:P.74 - P.81

文献概要

 1895年Olivre and Schäferが副腎Extracts中に昇圧物質を見出した後,10年を経ずしてAbel,von Fürth,Takamine,StolzらによるAdrenalineの構造決定,合成成功を見るに至つた。Barger and Dale,Cannon and RosensluetdらはAdrenaline作用と交感神経刺戟効果とは多くの点で一致するが,なお若干異ることを指摘し交感神経刺戟伝導物質Sympathinに2種類以上存することを示唆したが,夙にBacqはそれがNoradrenalineであろうと主張した。しかし,確実にNoradrenalineがSympathinに含まれることを証明するには,なお適当な生物学的並に化学的定量法の出現が期待されていた。やがて,Eulerの努力が実り,交感神経の刺戟伝導物質は少量のAdrenalineを含むけれども主成分はNoradrenalineであることを生物学的並に化学的に定量証明したのである。一方,Noradrenaline及びAdrenalineの生体内合成を廻つて,更に第三のCatecholamineの存在が示されるに到つた。それはNoradrenalineの合成上の前駆物質であるDopamineである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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